近年、世界経済の変化や円安の影響により、「ドルを持つメリット」に注目が集まっています。
本記事では、ドルを保有することで得られる具体的なメリットや方法、注意点について解説します。円安が進む中で、資産を守りたいと考える方にとって非常に役に立つ内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
なお、実際に私が実践している誰でも簡単にできるドルの持ち方も紹介しますので、ご興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
１、ドルを持つ5つのメリット
まず最初に、ドルを持つ5つのメリットを見てみましょう。
（１）経済的な安定性を確保
ドルは世界の基軸通貨としての地位を持ち、経済的な安定性が高いことで知られています。
例えば、2008年のリーマンショック時、多くの通貨が大きな影響を受ける中、ドルはその信頼性を保ち続けました。国際的な取引や資産保全の際、ドルは多くの国で信頼されており、この安定性は為替変動によるリスクを軽減する助けになります。
（２）円安リスクの回避
円安が進むと、円の価値が下がり輸入品や海外旅行のコストが増大します。一方で、ドルを持つことでこのリスクを回避できます。
例えば、2022年の急激な円安時、ドルを保有していた人々は円の価値低下による影響を受けにくく、海外旅行や輸入品購入時に有利な状況を享受しました。
このように、ドル保有は為替変動による損失を抑える手段として非常に効果的です。
（３）グローバルな取引の便益
ドルは世界中で広く使用されている通貨です。
例えば、米国や東南アジア諸国（カンボジア）では、ドルがそのまま利用できることが多く、現地通貨に両替する手間を省けます。
また、オンラインでの国際取引やアメリカ企業とのビジネスでも、ドル決済が標準的なため、取引をスムーズに進められます。
このように、ドルはグローバルな生活や活動を支える重要なツールとして役立ちます。
（４）ポートフォリオの多様化
資産運用の観点からも、ドルを保有することはポートフォリオの分散に役立ちます。
例えば、日本円とドルを組み合わせた場合、株式や債券と比べて異なる経済要因に基づいて価値が変動するため、リスク分散効果が期待できます。実際に、近年のデータでは、日本株式と米ドルの相関係数が低めであることが示されています（0.2～0.4程度）。
このような相関性の低さは、資産全体のリスクを抑える上で有利です。また、ドルは安全資産とされるため、市場が不安定な時期に価値を保ちやすい点も魅力です。
（５）インフレ対策
インフレが進行すると、現金の価値が減少します。ドルは比較的インフレ耐性が強く、特に米国経済が好調な時期には資産価値を守る手段として有効です。
例えば、1980年代の米国ではインフレ率が二桁に達したものの、ドルを基軸とする国際取引は依然として活発で、購買力が大幅に低下しませんでした。また、近年の新興国通貨と比べても、ドルはインフレによる下落リスクが小さいことが統計データで示されています。
こうした背景から、ドルはインフレ対策として信頼性が高い通貨といえます。
２、ドルを持つための具体的な方法
では、具体的にはドルを持つにはどのような方法があるのでしょうか。
（１）外貨預金
銀行でドル預金を始めるのは簡単で、安定した選択肢です。
多くの銀行が外貨預金口座を提供しており、例えば為替レートが1ドル=130円のタイミングで預金し、その後1ドル=140円になった場合、為替差益が得られる可能性があります。また、外貨預金では一定の利率が付く場合があり、円預金よりも高い利率を享受できることがあります。ただし、為替手数料に注意が必要です。
外貨預金について詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。
（２）外貨建て投資
ドル建ての株式や債券、ETFに投資することで、資産運用の幅を広げることが可能です。
例えば、米国のS&P 500に連動するETF（上場投資信託）は、米国経済の成長に伴う利益を享受できる代表的な商品です。ドル建て債券も安定した利回りが期待できるため、リスクを抑えつつ収益を狙うことができます。
（３）FX（外国為替証拠金取引）
為替の変動を活用して利益を得る方法として、FX取引も一つの選択肢です。
例えば、1ドル=130円で購入し、1ドル=135円で売却することで5円の差益を得られます。ただし、レバレッジを利用する場合、損失が拡大するリスクがあるため、十分な知識と経験が必要です。
（４）現金として保有
最もシンプルな方法は、ドルを現金として保有することです。旅行や緊急時に便利ですが、インフレや盗難リスクに注意する必要があります。
例えば、旅行の際に両替所を探す手間を省ける点や、海外での緊急出費にすぐ対応できる点が大きなメリットです。
ドル資産の賢い持ち方は下記記事で詳しく紹介していますので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。
３、実際に私がやっているドルの持ち方
上記にてドルの持ち方をいくつか紹介しましたが、初心者にとっては投資はリスクが高いと感じられている方も少なくないでしょう。
その中で私が実践しているのは、カンボジアの銀行に高い金利で定期預金をすることです。
方法としては、カンボジアの現地銀行に口座を開設して、そこにドルを定期預金して６％（2024年の見直しで4％）程度高い利息を受取るというシンプルな方法です。
私は２行の銀行口座を所有していて、１つ目は日本三井住友銀行が筆頭株主となっている「アクレダ銀行」で、もう一つはカナダの国立銀行の完全子会社である「ABA銀行」です。どちらの銀行もカンボジアで大変人気のある、倒産しにくい銀行となっています。それぞれの銀行について詳しく知りたい方は、下記記事をぜひお読みください。
なお、カンボジアでの銀行口座開設には年収などの制限はなく、どなたでも開設することができます。開設方法などについてはセミナーで解説していますので、ご興味がある方はぜひ参加してみてください。
また、個別面談も毎週土曜日実施しています。ご自身の状況にあった相談をしたい方は、ぜひご利用ください。カレンダーより簡単に日程調整ができます。
４、ドルを持つ際の注意点
一方で、ドルを持つときに注意点もあります。対策も合わせてチェックしておきましょう。
（１）為替リスク
ドルの価値は堅調市場で日々変動します。例えば、1ドル=130円の時にドルを購入しても、その後円高が発生します1ドル=120円になれば、円に換金した際の資産価値このリスクを軽減する方法として、購入タイミングを分散させる「ドルコスト平均法」が有効です。毎月定額をドルに交換することで、為替変動の影響を平均化できます。
これにより、為替変動の影響を限定的に抑えられます。 なお、ヘッジコストが発生する点には注意が必要です。
（２）手数料と税金
外貨取引では、購入時と売却時に手数料が発生します。 同様に、一般的な銀行での外貨口座の場合、1ドルあたり片道1円の手数料がかかることが多く、往復で2円のコストにまた、外貨建ての投資商品で得た利益には、日本のやり方が適用されます。例えば、為替差益や利子には20.315%（得税+住民税）の報酬が行われます。
リスクを軽減するためには、手数料が低いネット銀行や証券会社を選ぶことが重要です。また、確定申告の際に適切に申告し、節税の可能性がある権利制度を活用することも大切してください。
（３）流動性の確保
ドルを保有する場合、日本円への換金が必要になる場合を考慮し、適切な流動性を確保しておくことが重要です。 同様に、急な出費が必要な場合には完全資産をドルで持ってくださいしていると、円高のタイミングで交換金が得られず、損を被る可能性があります。
対策として、円建ての現金や流動性の高い資産（日本円の口座など）を一定割合保有することを推奨します。資産配分を見直し、円とドルのバランスを考慮して、必要な時に柔軟に対応できます。
（４）インフレリスクと覚悟
ドルはインフレより比較的強いとされていますが、米国内で大幅なインフレが発生した場合、ドルの購入力が低下する可能性があります。されますが、権利が低下すると収益性が低下する可能性もあります。
これに対処するため、米国の経済状況や政策立案の動向を定期的にチェックすることが重要です。例えば、インフレが進行している場合、インフレに強い資産（インフレ連動債など）への投資を検討するものは有効です。
（５）政治的なリスクや規制
アメリカ経済やドルの価値は、米国の政治的状況や規制による影響を受ける可能性がある。
このリスクを軽減するためには、分散投資を徹底することが重要です。ドルだけでなく、ユーロや他の外貨、日本円建ての資産を考えて、特定の通貨に依存するリスクを軽減できます。
５、ドルを持つことで得られる未来の安定性
世界経済が不安定な中、ドルを持つことは資産防衛の重要な手段となります。特に米国経済が堅調な場合、ドルの価値が安定し、投資家にとって有利な状況が生まれるでしょう。
今後も基軸通貨としての地位が揺るがないドルは、個人の資産形成において信頼できる選択肢です。
６、FAQ（よくある質問）
最後にみなさんが関心の高いよくある質問を３つご紹介します。ぜひチェックしてみてください。
Q: ドルを持つことにリスクはありますか？
A: はい、為替リスクや手数料、税金などの注意点があります。ただし、これらを理解し対策を講じることでリスクを軽減できます。
Q: ドルとユーロ、どちらを保有するべきですか？
A: 両方保有することでリスク分散が可能です。ただし、投資目的や市場状況によって適切な選択が異なります。
Q: 外貨預金は初心者にも向いていますか？
A: 外貨預金はリスクが低めで、初心者にも始めやすい選択肢です。ただし、為替手数料に注意が必要です。
まとめ
ドルを持つことには多くのメリットがあります。経済的安定性、円安リスクの回避、グローバルな取引の便益など、資産を守りたい方にとって魅力的な選択肢です。
今後の経済状況を見据え、ドルの保有を検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社エワルエージェント 代表取締役
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー2級
不動産投資、資産運用のメディアを10年以上運用しています。
自分がカンボジア不動産投資、現地銀行口座開設の経験を基に、みなさんにあまり知られていないカンボジアに投資する魅力や、役に立つ情報をお届けします。
You Tubeチャンネル「不動産投資の女神チャンネル八木チエ」にて不動産投資を始め、資産運用に関する情報発信をしています。ぜひご覧ください。
