マレーシアは日本人にとって人気の不動産投資先の一つです。
マレーシア不動産投資するときのメリットは多くありますが、失敗しないためにも実際に外国人が購入するときには、どんなリスクがあるのかも、事前に知っておきたいです。
そこで今回は、マレーシア不動産投資のメリット・デメリット、購入の流れ、そして将来性について詳しく解説します。
また、同じく東南アジアでありながら、カンボジア不動産投資との比較も書いていますので、これからマレーシア不動産投資を検討されている方、マレーシア不動産投資を迷われている方は、ぜひ最後までお読みください。
1、マレーシアはどんな国
マレーシアは、東南アジアに位置し、マレー半島とボルネオ島の北部を含む国です。
首都はクアラルンプールで、人口の多くはマレー系、中国系、インド系など多様な民族から構成されています。国の公用語はマレー語ですが、英語も広く使用されています。
マレーシアは熱帯気候で、美しいビーチ、熱帯雨林、歴史的な遺産、多様な文化が魅力です。観光業は重要な産業の一つであり、特にロンリープラネットなどの旅行ガイドで高い評価を受けています。
経済は多角化されており、製造業、農業、サービス業が主要な部門です。ペトロケミカル、自動車部品、電子機器などの製造業は特に重要です。また、天然ガスや原油の生産も国の経済に寄与しています。
政治体制は立憲君主制で、国王は各州の統治者から選出されます。議会制民主主義の下で、複数政党が存在し、定期的に選挙が行われます。
(1)マレーシア経済は安定を続けている
マレーシアは過去数十年間、安定した経済成長を続けており、2023年には4.5%のGDP成長率を記録しています。
この経済成長は、主に製造業、サービス業、観光業によって支えられています。
特に、製造業とサービス業は国の経済基盤となっており、海外の投資家にとって魅力的な市場トレンドとなっています。
(2)大規模なインフラ建設により都市開発が進んでいる
マレーシアでは、政府主導の大規模なインフラプロジェクトが進行中です。
これには、新しい高速道路、鉄道、空港の建設が含まれ、都市開発が急速に進んでいます。
特にクアラルンプールやジョホールバルなどの主要都市では、モダンな都市開発が進み、住環境の改善や不動産価値の上昇が期待できます。
2、マレーシア不動産投資するメリット
では、マレーシア不動産投資するにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
こちらの章で詳しく見ていきましょう。
(1)不動産投資より高収益を獲得しやすい
マレーシア不動産は、高い賃貸収入とキャピタルゲインが得られることで知られています。
特にクアラルンプールなどの都市部では、賃貸需要が高く、5%以上の利回りを期待できる物件も多いです。 これは、先進国の不動産市場と比較して高いと言われています。
(2)外国人でも不動産購入ができる
マレーシア政府は、外国人に不動産投資を推奨しています。
特定の規制を遵守すれば、外国人でも自由に不動産投資を行うことができます。これにより、海外の投資家にとって非常に投資しやすい市場になります。
(3)不動産を購入することで長期滞在ビザの取得ができる
マレーシアでは、不動産を購入することで長期滞在ビザ(MM2Hビザ)の取得が可能です。
これにより、投資家は長期にわたりマレーシアを滞在し、ビジネス活動やバカンスを楽しむことができます。
また、移住を検討されている方にとっても大きなメリットと言えます。
(4)経済が成長していることから不動産価格上昇も期待できる
マレーシアの経済成長は、不動産市場にも良好な影響を与えています。
クアラルンプールやセランゴール、ペナンなどの都市部では、引き続き住宅需要が高く、価格も上昇傾向にあります。一方、地方の不動産市場は依然として安定しているか、若干の価格調整が見られます。
3、マレーシア不動産投資する注意点
一方で、外国人がマレーシアで不動産の購入ついて注意すべき点もいくつかあります。
事前にチェックしておきましょう。
(1)外国人が不動産購入時は最低購入価格の設定がある
マレーシアでは、外国人が不動産を購入する際には、特定の条件があります。特に注意すべき条件の一つが、外国人が不動産を購入する際の最低購入価格です。
一般的に、外国人がマレーシアで不動産を購入する場合、以下の最低購入価格が適用されます。
- ペナン州、ジョホール州、セランゴール州、ワイプ州:マレーシアリンギット(MYR)500,000(約1,663万円)以上の不動産を購入する必要がある
- プトラジャヤ、クアラルンプール、プトラジャヤ、ランカウイ、サバ州、サラワク州:マレーシアリンギット(MYR)1,000,000(約3,327万円)以上の不動産を購入する必要がある
これらの金額は、不動産の購入価格の合計金額なので、外国人が個人で所有する住宅や商業用不動産が適用されます。
なお、こちらの条件に関しては今後変更される場合があるため、不動産の購入を検討する際には最新の情報を入手することが重要です。
(2)不動産譲渡所得税が課税される
マレーシアでは、不動産投資で利益が得られたとき、譲渡所得税(RPGT)が課税されます。
RPGTは、所有期間に応じて税率が異なります。
参照:JETRO
買い手は譲渡対価の3%を手元に保留(源泉徴収)した金額を売り手に支払うし、譲渡日から60日以内に税務当局へ納付することとなっています。売り手がPR(永住権)を持っていない外国人または外国法人の場合、この保留率は7%となること注意が必要です。
(3)都心部の不動産供給過多や価格変動、賃貸需要の変動リスクがある
マレーシアの都市部では、不動産の供給過多が懸念されています。
これにより、不動産の需要や賃貸需要の低下リスクに注意する必要があります。
不動産投資を行う際には、市場の動向、エリアなどをよく調査することが重要です。
(4)州政府の許可や申請プロセスが必要のため、時間がかかる
マレーシアで不動産購入するには、州政府の許可を取る必要があります。
弁護士を通じて、購入物件の所在する州の土地事務所(Land Office)に対して不動産購入許可の申請を行います。
申請に必要な書類は大きく下記となっています。
- パスポートのコピー
- 不動産購入契約書(SPA)
- 購入者のプロフィールや財務状況に関する情報
- その他、州ごとに必要とされる書類
土地事務所が申請書類を審査し、許可の発行を行います。
審査期間は州ごとに異なりますが、通常数週間から数ヶ月かかると言われています。
4、マレーシア不動産購入するときの流れ
では、実際にマレーシアで不動産を購入するときの流れはどうなるのでしょうか。
こちらの章で外国人がマレーシアで不動産購入するときの流れをご紹介します。
(1)物件を探す
まずはマレーシアの不動産情報を探しましょう。
ポータルサイトも、マレーシア不動産に特化したサイトがありますから、そちらのサイトから探してみるのはいいでしょう。
また、エージェントに相談するのも一つの選択肢と言えます。
(2)現地見学
海外で不動産投資を検討する場合は、現地見学がおすすめします。
中には写真だけ見せて、実物が存在しない不動産詐欺もあったので、いいと思った物件がありましたら、ぜひ物件の所在地まで足を運んでみてください。
また、実際にマレーシアに足を運ぶことによって、国の環境だったり、色々と感じることもできます。
(3)不動産の購入契約を締結する
選定した物件に対して購入契約(Sale and Purchase Agreement, SPA)を締結します。
この契約には、購入価格やその他の条件が記載されています。
(4)弁護士を選定し、州の許可申請をする
外国人が不動産を購入する場合は、州の許可申請が必要です。
弁護士に依頼し、購入物件の所在する州の土地事務所(Land Office)に対して不動産購入許可の申請を行います。
下記申請書類が必要になります。
- パスポートのコピー
- 購入契約書(SPA)
- 購入者のプロフィールや財務状況に関する情報
- その他、州ごとに必要とされる書類
(4)審査と承認
土地事務所が申請書類を審査し、許可の発行を待ちます。
審査期間は州ごとに異なりますが、通常数週間から数ヶ月かかることがあります。
(5)引き渡しを受け、残代金を支払う
州の許可を受領した後、購入者は残りの支払いをし、物件の所有権移転手続きを行います。
5、カンボジア不動産投資とは
同じく東南アジアの中で、カンボジア不動産投資と比較検討されている方もいらっしゃるでしょう。
マレーシア不動産投資と比較しながら、カンボジア不動産投資の特徴について書いていきます。
実際にマレーシア不動産投資の参考にもなりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
(1)物件価格について
まずは物件価格について比較していきます。
同じく東南アジアの国ではありますが、不動産価格についてはマレーシアの方は高くなっています。
上記には書きましたが、マレーシアの場合は州によって異なりますが、外国人が不動産を購入する時は、最低購入価格が設けられています。条件が低い州でも、約1,663万円となっています。
一方でカンボジアの場合は、外国人に対する購入価格の設けはなく、1,000万円以下の不動産でも自由に購入することができます。
投資金額という面では、カンボジアはスタートできるハードルは低いと言えます。
(2)現地通貨について
2つ目の比較ポイントは「現地通貨」になります。
マレーシアの現地通貨はリンギット(RM)となっており、1リンギット(RM)は33円(2024年6月11日時点)の為替レートです。
一方で、カンボジアの場合は現地通貨リエルという通貨はありますが、米ドルも普通に流通されていて、不動産の購入も米ドルで購入することができます。
東南アジアの中で、唯一米ドルで不動産を所有できるのはカンボジアです。
海外投資をする際に投資する通貨の価値は非常に重要となりますので、その通貨の将来の価値もきちんと把握しておく必要があります。
(3)譲渡所得税などの税金について
不動産を売却して、売却利益を最も手元に残すには、その売却益に対する譲渡所得税の税率に大きく左右されます。
マレーシアの場合は、不動産の所有年数によって税率が異なっていて、長く所有していれば税率も低くなります。
一方で、カンボジアの場合は譲渡所得税は決まっていますが、現時点ではまだ実施されていません。
つまり、現時点では不動産を売却して売却利益を得た場合は、譲渡所得税を支払うことなく、売却益を得ることができるのです。
(4)不動産投資の利回りについて
投資なので投資利回りも重要なポイントです。
マレーシア不動産の利回りは、約5%と言われています。日本などの先進国と比較すると高くなっています。
一方で、カンボジアの不動産投資は5%〜10%となっていて、平均7.5%前後が一つの目安と言われています。
実際に私が投資したカンボジアの不動産は平均8%となっています。東京の大手町のような立地の物件で物件価格自体が少し高くなっています。
(5)不動産所有による外国人の優遇対策などについて
外国人がマレーシアで不動産購入をした場合は、購入金額の条件をクリアできれば、長期滞在ビザ(MM2Hビザ)を取得することができます。
一方でカンボジアの場合は、ビザに関する優遇対策は設けておらず、特にビザに対する特別扱いもありません。
同じく東南アジアでありながらも、国によって不動産購入金額、不動産購入に対する規制などが異なります。もう少しカンボジア不動産投資について詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。
まとめ
マレーシア不動産投資は、高利回りや経済による不動産の成功が期待できる一方、適切な手続きが必要だったり、外国人ならではのリスクもあります。
投資を成功させるためには、十分な情報収集、現地見学、専門家のサポートを受けるようにしましょう。
空いてるスケジュールに予約を入れるだけなので、カンボジア不動産投資などにご興味がある方、より詳しく話を聞きたい方は、今すぐ面談の日程調整をしましょう。
株式会社エワルエージェント 代表取締役
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー2級
不動産投資、資産運用のメディアを10年以上運用しています。
自分がカンボジア不動産投資、現地銀行口座開設の経験を基に、みなさんにあまり知られていないカンボジアに投資する魅力や、役に立つ情報をお届けします。
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