日本の定期預金の金利はわずか0.015%(2024年5月時点)と非常に低くなっており、金利が高い海外銀行の口座にお金を預けたい日本人が増えています。
米ドルなどの外貨をそのまま預けられるのも人気を集めている一つの理由です。
しかし、人気があるとは言え、海外の銀行であることから、メリットがある一方、リスクも事前に把握しておくことが重要です。
そこで今回は、海外銀行に口座を持つメリット、注意点、銀行を選ぶ時のポイント、そしておすすめ銀行も合せて解説します。これから海外口座を検討されている方、どこの銀行を選んだらいいかと迷われている方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
1、海外銀行口座を開設するメリット
まず最初に、海外銀行口座を開設するメリットについて見ていきましょう。
大きく下記5つのメリットを挙げることができます。
- 日本の銀行より金利が高い
- 外貨を持つことにより為替変動のリスクヘッジになる
- 資産分散ができる
- 海外送金などが便利になる
- 投資機会が増える
では、それぞれについて見ていきましょう。
(1)日本の銀行より金利が高い
一つ目のメリットは日本の銀行より金利が高いです。
冒頭にも書きましたが、今の日本の定期預金の金利はわずか0.015%(2024年5月時点)です。ほぼ金利がつかないのと同じです。 一方で、海外の銀行にお金を預けることによって、高い利息を得ることができます。
例えば、カンボジアの現地銀行の場合は、米ドルで口座を持つことができ、定期預金の金利は4.5〜6%と非常に高く設定されています。同じく定期預金でも、日本銀行の定期預金の約400倍あります。この利息の高さに大きな魅力と感じている方も多いでしょう。
実際には私はカンボジアのアクレダ銀行、ABA銀行に口座を持っており、毎月利息を得られています。
※著者本人のアクレダ銀行残高イメージ
(2)外貨を持つことにより為替変動のリスクヘッジになる
海外に銀行口座を持つと、米ドル、豪ドルなどの外貨を持つことになります。このように外貨を持つことにより為替変動のリスクヘッジになります。
例えば、今は円安で円の価値が大きく下がっています。一方で、米ドルを持っていれば、ドルの価値が上がっていますので、為替変動のリスクヘッジができるようになります。
また、外貨を持っていれば、為替変動の利益を得ることもできます。為替レートが120円の時に米ドルを30,000ドルで貯金していれば、158円(2024年6月20日時点)の時にそれを円に両替すると、1,140,000万の利益を得ることができます。
(3)資産分散ができる
海外に銀行口座を持つと、万が一日本国内の財産破綻をした時のリスクヘッジになります。
2009年のヨーロッパで問題となったギリシャ危機について深く印象に残されている方も少なくないでしょう。世界一借金大国の日本なので、財産破綻する可能性はゼロとは言えません。
よって、自分の財産を守るという観点でも海外銀行に口座を持つことに人気を集めています。
(4)海外送金などが便利になる
海外の銀行口座を持っていれば、海外送金などが非常に便利になります。
例えば、カンボジアの場合は銀行にお届けを出す以外に制限は一切ありません。カンボジアに米ドルを預けている場合は、銀行のアプリで簡単に海外に送金することができます。
一方で同じく海外でも国によって送金制限が厳しく設けられている国もあります。例えば、インドネシアは1ヶ月一人あたり25,000ドル以上の外貨換金規制があったり、フィリピンは1,000ドル以上の海外送金は中央銀行に事前承認が必要など厳しく制限があります。
よって、どこの国で銀行口座を開設するかを検討する時に、海外送金の自由度も必ずチェックするようにしてください。お金を預けたのはいいものの、海外に送金ができないと意味がありません。
(5)投資機会が増える
その国の銀行口座を持つと、現地の投資商品やサービスに投資できるため、新たな投資機会が広がります。特に外国の株式や不動産、金融商品への投資が簡単になります。
例えば、カンボジアのABA銀行の口座開設を検討されている方は、仮想通貨の取引がしやすくなるなどの理由で開設する方もいらっしゃいます。
様々な理由で海外銀行口座を検討されている方がいらっしゃるのです。
2、海外銀行口座を持つリスク
一方で、海外銀行口座を持つにはリスクもあります。
- 国ごとに法律が違う
- 言語による壁が高い
- 口座管理料がかかる
- 開設手続きが煩雑で時間がかかる
- 口座凍結リスク
では、それぞれについて見ていきましょう。
(1)国ごとに法律が違う
国ごとに法律が違うのと、銀行によって規制やルールが違うことに注意する必要があります。
例えば、カンボジアの場合は居住者と非居住者の課税率が異なっています。定期預金の課税率は居住者は6%に対して、非居住者は14%となっています。
(2)言語による壁が高い
海外口座を開設する時は、手続き時の言語は英語をはじめとした外国語になることが一般的で、言葉の壁がリスクと言えます。
日本語デスクが設けられている銀行もありますが、非常に少ないため選択肢が狭めてしまいます。 その時は、海外口座サポートをする会社に問い合わせしてみてください。
口座開設のサポートの他に、アプリの設定など必要に応じたサポートも全部してもらえますので、安心して開設することができるでしょう。
例えば弊社の場合はカンボジアのアクレダ銀行、ABA銀行の口座開設サポートをしています。ご興味がある方はぜひ問合せしてみてください。 なお、セミナーも定期的に開催していますので、まず情報収集をしてみてい方は、気軽に参加してみてください。
(3)口座管理料がかかる
銀行によって維持・管理に手数料をかかる場合もあります。
例えばアメリカの銀行である「バンク・オブ・アメリカ」では、毎月の手数料が12ドルです。一方で、カンボジアの銀行は特にそのような管理料はかからないです。
毎月の手数料は大きな出費に繋がりますので、銀行選ぶ時に事前に必ず確認するようにしましょう。
(4)開設手続きが煩雑で時間がかかる
海外銀行の口座開設は、一般的には事前に問合せをして、実際の手続きは現地にて行うことが多いです。現地への交通費、宿泊費などの費用が重なります。
また、実際に口座開設までは大体1ヶ月前後かかると言われています。
なお、実際に私が持っているカンボジアの銀行口座は、アクレダ銀行は郵送と現地開設、ABA銀行は現地開設となっています。郵送の場合は1ヶ月前後かかりますが、現地の場合は数時間で完了となります。
ABA銀行の場合はデビットカードの受取も当日にできますので、現地には1日滞在すれば、全ての手続きが完了となります。
(5)口座凍結リスク
海外銀行口座を持つ時に、1年以上取引がない場合は凍結されてしまうことが多くあります。
日常生活で取引をしていれば問題ないのですが、凍結されてしまうと解除するには時間やお金がかかってしまいます。
そうならないように、事前にその銀行の口座凍結に対する規制、そして万が一凍結になった時の解除方法を確認しておくことが重要です。
3、海外銀行口座を選ぶ際のポイント4つ
海外銀行口座はどのように選んだらのいいのかについて悩まれている方も少なくないでしょう。
こちらの章では海外銀行口座を選ぶ際のポイント4つ をピックアップしましたので、参考にしてみてください。
(1)信頼性と安全性
海外にお金を預けるわけですから、その銀行の評判や規制は非常に重要となり、信頼性の高い銀行を選ぶのが重要なポイントになります。
国際的に認知されている大手銀行や、金融規制が厳しい国の銀行がおすすめです。
(2)手数料
海外銀行を選ぶ時に、口座維持費、送金手数料、ATM利用手数料など、各種手数料を比較しましょう。
手数料が低い銀行を選ぶことで、長期的に見て大きな節約に繋がります。
(3)サービスとサポート
3つ目のポイントは、多言語対応のカスタマーサポートや、使いやすいバンキングシステム、アプリを提供している銀行を選びましょう。
迅速かつ親切なサポートが受けられるかも重要なポイントです。
ただし、日本語サポートができる銀行が少ないのは現状であり、その際に口座開設サービスを提供している会社のサポート内容が充実であるかについてきちんと調べるようにしましょう。
(4)金利と条件
4つ目のポイントは、銀行の利息や最低預金額、口座の種類などを確認しましょう。
高い利息や有利な条件を提供している銀行を選ぶと、更に効率よく資産を増やすことができます。
例えば、カンボジアの銀行は金利4.5〜6%と推移し、ABA銀行は最低預金額は設けていません。日本に住みながらドル口座を持つことができる貴重な国とも言えます。
4、海外銀行口座の開設方法
では、実際には海外銀行の口座はどのように開設ができるのでしょうか。
大きく下記2つの方法があります。
- 現地にて開設する
- 郵送して開設する
それぞれについて見ていきましょう。
(1)現地にて開設する
現地にて銀行口座開設することが一般的です。
必要な書類としては、国や銀行によっては異なりますが、パスポート、ビザ(投資ビザ、商用ビザなど)、納税書類などが挙げられます。
実際には長期滞在ビザを所有している、投資をされているなどと条件が厳しく設けられています。
(2)郵送して開設する
中には日本に住みながら郵送のやり取りで口座開設できる銀行もあります。
例えば、カンボジアのアクレダ銀行は現地に行く必要なく、郵送にて書類のやり取りで開設することができます。
郵送だけで開設できる海外銀行はなかなかないので、かなり貴重な銀行とも言えます。
5、米ドル口座を持ちたい方におすすめの銀行2選
円安や銀行金利の低さで、ドル資産の重要性に気づき海外銀行を検討されている方は増えています。
日本に住みながら、海外銀行でドル口座を持てる銀行はほんの一握りに限られています。
数年前は香港のHSBC銀行に人気を集めていましたが、今は新規での口座開設がほとんどできなくなりました。また、本土であるアメリカの銀行もほとんど無理と言えるでしょう。
その中で、実はカンボジアの銀行でドル口座が持てるのです。カンボジアの銀行は、
- 日本に住みながら(非居住者)でも開設することができる
- 金利が4.5〜6%と非常に高い
- 口座管理料かからない
- 海外送金制限がない
などメリットが非常に多いです。 実際に私も口座を持っているカンボジアにあるアクレダ銀行とABA銀行がおすすめです。
(1)アクレダ銀行
アクレダ銀行はカンボジアで最大手の銀行であり、特に金利の高さで知られています。 5年定期での金利が年利6.5%と、長期にわたる資産運用を考えている人にとって非常に魅力的です。
アクレダ銀行は三井住友銀行が筆頭株主であり、オリックスと合計して約30%の株を所有しており、安定した運営基盤があります。カンボジアで唯一カンボジア証券取引所(CSX)に上場している商業銀行です。
また、日本にいながら郵送で口座開設ができるサービスを提供しているため、カンボジアに行くことなく手続きが可能です。
アクレダ銀行について詳しく知りたい方は、下記記事を合せてチェックしてみてください。
(2)ABA銀行
【80支店も?】カンボジア国民が殆ど使っているABA銀行とは?
ABA銀行はカンボジア国内に約80支店を展開している、カナダ国立銀行の子会社である銀行です。カンボジアでの口座開設において非常に人気のある銀行の一つです。
ABA銀行は特にデジタルバンキングサービスが充実しており、使い勝手の良いモバイルアプリが特徴的です。 アプリを利用すれば、送金、請求書の支払い、残高確認などがいつでもどこでも簡単に行えます。
また、ABA銀行は国際的な送金サービスも提供しており、世界中のどこからでも資金の受取・送金もできます。
1年ドル建て定期預金の金利が年利4.5%と比較的高利であることも魅力の一つです。 ABA銀行の場合は30万ドル以上貯金がある場合は、金利の交渉ができるようです。上限を5.5%に交渉できますので、30万ドル(約4,620万円※154円の為替レートで試算)以上の貯金を検討されている方は、ぜひ交渉してみましょう。
ABA銀行は月曜日〜日曜日、休みなく営業しています。週末でも口座開設ができるので、スケジュール組みやすいのも嬉しいポイントと言えます。
実際に私がABA銀行の口座開設をした時の動画を公開していますので、ぜひチェックしてみてください。
【わずか5分?】銀行窓口に行かずABA銀行の口座開設が簡単にできる?
ABA銀行について詳しく知りたい方は、下記記事を合せてチェックしてみてください。
また、カンボジアの銀行口座開設のセミナーを定期的に開催しています。ご興味がある方はぜひ参加してみてください。
6、よくあるQ&A
(1)口座管理費が高い銀行を避ける方法は?
口座管理費を避ける方法としては、最低預金額を維持する、特定のサービスを利用することで無料になる場合があります。 銀行の条件をよく確認しましょう。
(2)送金手数料を最小限に抑えるには?
同じ銀行の支店間での送金や、提携している銀行への送金を利用することで、手数料を抑えることができます。
また、定期的に送金サービスを利用する場合は、手数料割引が適用されることもあります。
(3)海外銀行口座の税務申告について知っておくべきことは?
各国の税法に基づき、海外での資産や収益を申告する必要があります。 特に、租税条約の適用を受ける場合や、外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)に準拠する必要がある場合があります。
現地の税務専門家に相談し、適切な申告を行いましょう。
まとめ
今回は海外口座開設について書きましたが、参考になりましたでしょうか。
高い利息が欲しい、円安で外貨が欲しいなどの理由で、近年海外口座開設について興味を持つ方がどんどん増えています。 一方で、口座管理料が高い、口座が凍結されてしまったなどのトラブルが起きているのも事実です。そのようなトラブルに巻き込まないためにも事前に情報収集することが重要です。
カンボジアの銀行口座開設にご興味がある方は、ぜひ気軽に問合せしてみてください。
空いてるスケジュールに予約を入れるだけなので、カンボジアの銀行口座開設などにご興味がある方、より詳しく話を聞きたい方は、今すぐ面談の日程調整をしましょう。
株式会社エワルエージェント 代表取締役
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー2級
不動産投資、資産運用のメディアを10年以上運用しています。
自分がカンボジア不動産投資、現地銀行口座開設の経験を基に、みなさんにあまり知られていないカンボジアに投資する魅力や、役に立つ情報をお届けします。
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