アフターコロナのM&Aはどう変わる?最適な戦略とは?

コロナは社会に大きな影響をもたらし、当然多くの企業が大ダメージを受けました。その影響の大きさから、業界によってはコロナ終息後のアフターコロナの世界で、コロナ禍前の状況に戻らなさそうな業界もあります。

そして個々の企業だけでなくもう一つ見落とせないのがM&A市場です。コロナによってM&A市場が変化し、なおかつアフターコロナでも市場の動きは今まで通りとはいかないでしょう。

では、現状コロナの影響でM&A市場はどうなっているのか、アフターコロナの世界ではどうなるのか、解説していきます。市場の動きを把握したうえで、最適な選択をされたら幸いです。

1、コロナの影響によるM&A市場の変化

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まずはコロナの影響によってM&A市場がどのような状況になっているのかについて書いていきます。

(1)ストップが相次いでいる

コロナの影響で、もともと予定されていたM&A案件がストップになったケースが多くあります。いったん保留になっているものもあれば、白紙に戻ってしまっている案件もあります。ではなぜコロナによってM&Aがストップしているのかご説明します。

①接触を避けるため

まずは単純に接触を避けるためにM&Aがストップしているのが一つの理由として挙げられます。M&Aを進めるためにはある程度直接会って話を進める必要があります。業種によっては特にリモートだけで話を進めることが難しく、何度も現場に視察して条件を交渉するケースもあるでしょう。

このように接触を続けているとコロナの感染リスクを高めることになり、そうなってしまうと後から責任問題などにも発展しかねません。買い手にとっても売り手にとってもこれはデメリットなので、コロナのデメリットを背負うくらいならM&Aはやめようということです。

②買い手側が資金を出し渋っているため

次に、買い手側が資金を出し渋るという事情もあります。そもそもコロナによってストップしたM&A案件というのは、コロナ禍以前に計画されたものです。つまり、コロナの影響を想定されていないものなのです。

コロナによって業界全体の事業が変わる可能性があり、また資金を蓄える必要のある企業も増えています。コロナ以前は安定的に経営していた企業でも、コロナの影響で売上が大幅に減少しているケースは多々あります。

その結果、資金を蓄えておくために買収を取りやめるということです。

③先が読めなくなったため

コロナの影響で資金が枯渇しているだけでなく、先が読めなくなっています。業種によっては、たとえコロナが終息しても元通りには戻らない場合もあります。良い意味で進化していく業界もあれば、リモート対応できなくて衰退していく業界もあるはずです。

今はコロナの影響で自粛ムード、リモートムードですが、その結果リモートの効率性、業務によっては直接会う必要がない、ということに気付いた方も多いでしょう。

そうなるとコロナが終息したらからといってわざわざ直接会う業務を減らそうと考える個人、法人は当然増えるので、社会全体が変わります。そして会社というのは人々のニーズに合わせて商売をしているので、ニーズが変われば業態が変わっていくのも当たり前なのです。

完璧にアフターコロナが読めれば最適な形でM&Aを進められますが、読むのは難しいため、リスクを避けたいと考えます。結果的に、M&Aを見送る企業が増えています。

(2)企業価値が下落している

コロナの影響で売上が落ちれば、企業価値は下落します。また買い手が渋れば相対的に売り手が多くなるので、M&A市場における企業価値は下落するでしょう。企業価値が下落すれば、売り手側が売却を渋る可能性があります。

ただしコロナの影響により営業が立ち行かなくなれば、たとえ想定していた価格を大幅に下回っていたとしても、倒産するよりはマシということになりえます。

最終的にどのような決断をするかは企業により異なりますが、少なくとも全体的に企業価値が下落していることは事実です。

(3)買い手の一極集中が進んでいる

上で説明した通り、多くの企業は資金不足に陥っている、コロナ後の市場の動きが予測できない、といった理由から企業買収に二の足を踏んでいます。しかし売却側も経営が傾いて早く売りたいと考えているケースが多いため、企業価値は下がっています。

つまりこのコロナが買収のチャンスと動いている企業と、逆に買収は危険だと二の足を踏んでいる企業が二極化しているのです。傾向としては、資金力のある大企業が買収に向かって動いていて、逆にある程度勢いがあって伸びていて買収を検討しているようなベンチャー企業が買収をやめています。

市場全体の動きとして、ここ何年かはベンチャー企業が増えていて、大手企業から人員が流出している状況でした。しかしコロナによる影響としては、勢いのあったベンチャー企業の勢いがストップし、大手企業に人や資金が集中する傾向になっています。

コロナ禍でのM&A市場の動きは、不況下では人は安定志向に向かう、という良い例かもしれません。

2、アフターコロナのM&Aの動き予測

コロナ禍でのM&A市場の状況についてご紹介しましたが、アフターコロナではM&A市場はどのように動くのでしょうか。

(1)ストップしていた案件が動き出す

コロナ禍に陥ってから、ストップしているM&A案件が多いとご説明しました。アフターコロナの状況が読めないからとM&A自体を取りやめた案件は別ですが、単に接触を避けるために一時的にM&Aを辞めているような案件は、アフターコロナで動き出す可能性が高いです。

全体としてはコロナの影響で白紙になったM&A案件の方が多いとは思いますが、一時的にストップしているだけの案件もあります。

(2)買収のチャンスと行動を起こす企業が増える

コロナの影響で、買い手企業は買収を躊躇し、売り手企業は売り急いでいる傾向にあります。コロナによる業績不振だけでなくM&A市場の動きの影響もあり、企業価値は下落しています。

企業価値が下落すれば、買い手企業にとってはチャンスです。コロナの影響で先が読めないので買収にリスクがあることは事実ですが、それぞれアフターコロナの市場の動きを分析しているので、ビジネスの成功にある意味確信を持っていて、今が投資のチャンスと考えている企業もあるのです。

アフターコロナの市場の動きを考えて、あえて今まで取り組んでいなかったジャンルに取り組み、そのためのノウハウ、人員確保の手段としてM&Aを選択する企業もあります。

(3)回復できない企業が売却を選択する

コロナの影響により業績不振に陥り、倒産する企業も増えています。しかし倒産する前に、体力のある企業に売却して資金を得るという選択肢も合理的でしょう。

実際売りに出す企業は増えているのですが、アフターコロナでもこの傾向は続くと考えられます。アフターコロナでなんとか盛り返そうと考えていても、実際そううまくいかないケースも多いでしょう。

倒産するか売却するかの選択に迫られれば、売却を選択する企業も多いということです。追い込まれた企業が売却を選択する場合、当然売却価格は下がります。

買い手企業にとってはチャンスですが、早めに動いた方がよりコロナの恩恵を受けられるので、コロナが買収のチャンスであることは意識しておいた方が良いでしょう。

コロナで苦しんでいる企業が多い中で不謹慎かもしれませんが、コロナの影響を受けていない、もしくはコロナのおかげで儲かっている企業は、それだけ突出した存在で、他社を買収するチャンスも握っているのです。

ビジネスとしてやっている以上、ビジネスチャンスは最大限活かした方が良いでしょう。普段なら手に入らないような企業が安価で手に入る可能性も高いということです。

またチャンスだとわかっていても資金力がなくて手を出せない企業が多いので、コロナの影響でライバルが弱っている状況は、コロナに耐えた、もしくはコロナを活かした企業にとってM&Aのさらなるチャンスです。

3、アフターコロナのM&A戦略

コロナの影響によるM&A市場の変化、アフターコロナのM&A市場の動きについて解説しました。ではこれらを踏まえ、具体的にどのような行動を起こせば良いのでしょうか。買い手、売り手、それぞれの立場から解説していきます。

(1)買い手側は先手必勝で動く

まず買い手企業はチャンスです。なぜなら多くの買い手企業が弱っていて、また先が読めないことから二の足を踏んでいます。さらに売り手側は体力不足で、倒産か売却かの選択を迫られています。

アフターコロナで他社を買収できるほどの資金力がある企業はそれだけでライバルから突出しているのです。またアフターコロナで市場が大きく動くからこそ、ニーズを的確に捉えれば大きなビジネスチャンスになります。

コロナは多くの企業を苦しめましたが、勝ち抜いた企業にとっては大きなチャンスです。

実際にM&Aにて会社の買収をする際の手順などについて、詳しくは下記の記事を参照にしてみてください。

(2)売り手側は焦りは禁物

売り手企業の多くは、苦境に立たされていることでしょう。なぜなら、今後の収益が望めないからこそ売却を考えているからです。しかし、コロナ禍、アフターコロナは企業を高く買収できるタイミングではありません。

むしろアフターコロナ後しばらく経過して、買い手企業が増えてきたタイミングの方が売却価格は高くなるでしょう。ただしそこまで経営を継続できることが前提ではあります。

実際に会社を売却する時に知っておきたい知識などについて、詳しくは下記の記事を参照にしてみてください。

4、廃業よりもM&Aを検討すべき?

廃業かM&Aか、M&Aが可能なら迷うまでもないでしょう。M&A一択です。廃業できる会社はいい会社だと言われています。なぜなら廃業するには借り入れなど全額を返済する必要があり、多くの会社は廃業にする前に倒産してしますのです。

つまり、廃業するのは非常にもったいないことです。M&Aで売却した方がお金になり、会社自体を存続することもできます。

自分自身は社長の座を退くことになりますが、従業員は守られます。コロナの影響で売却価格が下がる可能性は高いですが、それでも廃業するよりはお金になるはずです。買い手が付くなら、廃業するよりもM&Aを検討した方が良いです。

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赤字会社の売却含め、ご相談いただければと思います。

まとめ

コロナによって買い手企業が資金を出し惜しむようになっていて、またアフターコロナでも同様の傾向が続くでしょう。しかし、不況によって売り手企業が増えている、買い手が付かないので価格が下がっている、という事情もあります。

結果的に、アフターコロナを見据えて事業戦略を立てている企業にとっては買収のチャンスとなっています。不謹慎ではありますがコロナはある意味M&Aのチャンスでもあるので、先手で動くべきでしょう。

八木チエ

八木チエM&A INFO プロデューサー

投稿者プロフィール

大学卒業後、7年間IT会社の営業を経験し、弁護士事務所に転職。
弁護士事務所で培った不動産投資の知識を活かし、業界初の不動産投資に特化したメディアを立ち上げ。2018年に株式会社エワルエージェントを設立。不動産投資「Estate Luv」、保険「Insurance Luv」などのメディア運営やメディアのコンサル事業に特化。
M&A業界が盛んになった今、M&Aの情報を正しく伝えたい、もっと多くの人にM&Aの魅力を知ってもらいたいと思い、M&Aに特化したメディア「M&A INFO」を立ち上げ。より有益な情報を多く配信している。

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