M&A仲介業界に転職したい方必見!元M&Aコンサルタントが教える業界の全て
若手でも活躍ができる、更に平均年収2,000万円以上と、金融業界の中でも高年収と言われているM&A仲介業界に憧れている方は多いのではないでしょうか。
一方、税務、法務、財務など様々な専門分野の知識を要するM&A業界は、敷居が高いイメージもあり、転職したいがやっていく自信がない方も少なくないでしょう。
そこで今回は、業界初の元M&AコンサルタントによるM&A領域に特化した人材紹介会社ソーシング・ブラザーズ株式会社の代表取締役 小澤壮太(おざわ そうた)さんに、M&A業界の転職事情について話しを伺いました。
元M&Aブティック出身の小澤代表はご自身の経験も踏まえて、M&A業界全体の動き、M&Aコンサルタントの仕事内容、コロナショックの中での採用の動きなどについてまとめました。これからM&A仲介業界への転職を考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
1、M&A業界とは?業界全体について
M&A仲介業界は、大手投資銀行などが手を出していなかった中堅中小企業にフォーカスしたマーケットです。
昨今の少子高齢化による後継者不足に絡む事業承継ニーズも相まって、中小企業の事業承継におけるM&Aは活発に行われており、M&Aは経営者の高齢化や人口減少に伴う後継者問題や人手不足を解決する有効な手段として注目を浴びており、急成長を遂げている業界となっています。
今後、2025年までに経営者が70歳を超える事業者のうち、法人の約30%、個人事業主の約65%が廃業し、約127万社で後継者不在が問題になるとされています。そのため、現状のままいくと2025年までに、累計で約22兆円のGDP(国内総生産)と約650万人の雇用が失われると予測されています。
そのため、M&Aを活用した事業承継の件数はこれからも増えていくことを予想し、M&A業界はますます活発になっていくと言えます。
2、M&A業界の仕事内容は?仲介会社とFA(ファイナンシャル・アドバイザリー)の違い
では、M&A業界はどのような仕事内容でしょうか。
(1)M&A仲介業界の主な仕事内容は?
業務内容としては、
- 売手企業ソーシング
- 企業価値算定
- 案件概要書の作成
- 買手候補企業のリストアップ・打診
- 条件交渉
- 基本合意
- デューデリジェンスのアレンジ
- 最終契約調整
- 各種ドキュメント作成
- 経営統合のサポート
など業務内容は非常に多岐にわたります。
(2)仲介会社とFA(ファイナンシャル・アドバイザリー)の違いは?
①FA(ファイナンシャル・アドバイザー)とは?
FA(ファイナンシャル・アドバイザー)は買手と売手に別々のFAが助言を行うアドバイザリー形式をとるM&Aのアドバイザーとなっています。アメリカなどの海外ではFAのみの形式となっています。
FAは、売手と買手がそれぞれ別のFAをつけて交渉を進めていくところに特徴があり、既に交渉の相手先が決まった段階でFAを指名することが一般的となります。
FAは、上場企業同士や投資ファンドなどの起用が一般的です。上場企業や投資ファンドにおいて一般的とされている理由は、経営陣が後で不特定多数の株主や機関投資家に訴えられないよう、そのM&A手続きが適正か、または譲渡条件が妥当であったかが厳密に求められるため、法的リスクを最大限回避するためにも、投資銀行等のFAをアドバイザーにつけて交渉を行なう傾向にあります。
②仲介会社とは
一方、日本にはM&A仲介会社という仲介のビジネスモデルも存在しています。日本にしか存在しないビジネスモデルとも言えます。
同一のM&Aアドバイザーが売手買手の双方の間に立ち、交渉の仲介を行い、中立的な立場でM&Aの成立に向けて助言業務を行います。従って、売手と買手どちらか一方の利益の最大化を目指すのではなく、双方の間に立って客観的に中立的な立場で交渉の仲介を行ないます。
中堅・中小企業のM&Aの場合、経営者と株主が同一であることが多く、交渉が佳境になるにつれて、売手と買手双方がM&A実行後に不安を抱えており、感情的になってしまうケースも多いため、FAではなく、仲介として双方の間に立ち、お互いの些細な気持の変化なども汲み取りながら、交渉を行なう方がM&Aが成立する確度が高まることが多いです。
③仲介会社とFA(ファイナンシャル・アドバイザリー)の違い
仲介と違う点は、FAは売手あるいは買手のどちらか一方につくためクライアントの利益を最大化するように行動するという点にメリットがありますが、一方、同時に対立点も明確になり、お互いの利益を主張し合うことで、交渉が纏まりにくくなるというデメリットも存在しています。
3、専門知識がないと転職できない?現場で活躍している人物像
高い専門知識を要するM&A業界に対してイメージを持たれている方が多く、専門知識がないと転職できないのではと思われている方が少なくないでしょう。
実際には入社後に実務を通じて基本的な財務知識の習得はできます。従って、転職される前にそれらの専門知識がないから働けないという心配はしなくてもいいでしょう。現場ではコンサルタントには専門知識よりも、中堅中小企業のオーナー社長との折衝力や、案件ソーシングをするための高い営業力を求められケースが多いです。
M&A仲介のコンサルタントは、中堅中小企業のオーナー社長を対象に提案を行うため、基本的には一発勝負の業界だと言われています。初回の提案時に信頼を得ることが出来なければ次はありません。その為、身だしなみや所作にも細心の注意を払いつつ、相手の些細な気持ちの変化を汲み取り、気持ちの忖度が出来る人が活躍しています。
4、M&A業界への転職に適している方は?
実際にご成約に向けて、コンサルタントは売手企業ソーシング、企業価値算定、案件概要書の作成、買手候補企業のリストアップ、打診、条件交渉、基本合意、デューデリジェンスのアレンジなど様々な作業が発生します。
そのため、
- 精神的・体力的にタフでハードワークも厭わない仕事姿勢がある方
- 現職で高い営業成績を残している方(KPIを自ら設定し、PDCAを回して管理して結果を残したことのある方)
- 数字(財務・会計知識を含む)に強い方
- プロジェクトを企画・実行したり、周囲の人間を巻き込んで大きなことを成し遂げた方
- 事業承継やM&Aに高い関心をお持ちの方
などに該当されている方は適していると言えます。
5、M&A業界への転職に向いていない人
一方、下記の項目に該当する方はM&A業界には適していないと言えます。
- 長期的な視点で物事を考えられない方
- 自身の利益を最優先に掲げ行動してしまう方
- 学ぶ姿勢や勉強することを苦手に感じてしまう方
- 自分の考えで動くことができず、指示、命令待ちの状態が多い方
など。
6、M&A業界内の転職
M&A仲介は、業界として比較的新しいマーケットであり、M&Aの取引件数が増えにつれここ数年でプレイヤーやコンサルタントも急増しています。
今後は各M&Aブティックごとに、働き方や給与制度、習得可能なスキルセット等に特徴が色濃く出始め、そこを基準に業界内での転職を検討する方も増えるでしょう。
また、医療・介護・建設・飲食・製造業などの業界特化型や、地域密着型のM&A仲介ブティックも急増しており、コンサルタントそれぞれの得意領域や自身のネットワーク、知見を活かすという視点でM&A仲介業界内での横移動の動きは出てくるのではないでしょうか。
7、他業種からの転職
M&A仲介コンサルタントのポテンシャル採用の多くの割合を占めているのは、銀行や証券会社といった金融機関ご出身の方です。その理由は金融知識や会計・財務知識を有しているため、M&Aに関する知識のインプットや業務理解等がスピーディーにキャッチアップできるといった点が評価されているようです。
なお、最近では金融業界以外からの転職ケースも増加しています。
親和性の高い方としては、法人オーナーへの営業経験や、無形商品の営業経験を有する方です。また、総合商社からの転職も増えており、大きなプロジェクトに携わった経験やチームワークを意識し周囲を巻き込んで大きな仕事を前に進めていく点が、M&A業務に活かせるといった視点です。
8、新型コロナウイルスの影響ある?M&A業界の最新の採用動向について
新型コロナウイルスの影響は非常事態宣言も5月31日まで延長されており、他業界ではポジションクローズなどが相次いでいるようですが、M&A業界に関しては、Web面接への切り替えなどは進んでおりますが、採用活動を止めている会社は一部のみです。
現役のM&Aコンサルタントからは、今回のコロナウイルスをきっかけに、以前からM&Aを検討されていた企業オーナーが会社の譲渡を前に進める決断をされたなどの情報も入ってきており、今後もM&Aが必要とされる場面は増えていくのではないでしょうか。
各社、対面での面談やアポイントは難しい状況のようですが、WEB上で譲渡相談を受けたり、企業によってはTOP面談をWEBで実施したとのお話もお伺いしております。
AfterコロナのM&A需要を見据えて、採用にアクセルを踏んでいる企業もありますので、動向としては引き続き積極的な姿勢は変わらないのではないでしょうか。
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