東京商工リサーチの調査によりますと、5月6日は16時時点で「新型コロナ」関連の
- 経営破たん(負債1,000万円以上):16件
全国での累計件数は1,367件となりました。そのうち倒産が1,289件、弁護士一任・準備中が78件の内訳となっています。
また月別で見ていきますと、
- 2月:122件
- 3月:139件
- 4月:154件
と、3カ月連続で月間最多件数を更新して、4月は初めて月間150件超えと最多件数を更新しました。
なお、倒産による負債が1,000万円未満の小規模倒産の件数は累計70件と判明し、新型コロナウイルス関連破たんで負債1,000万円未満の件数も含めると合計「1,437」件となりました。
更にゴールデンウィークからスタートした4都府県への緊急事態宣言、感染拡大地域への「まん延防止等重点措置」が適用されました。飲食店や商業施設などが対象となる時短営業や休業要請が広がったことによって、消費関連業への影響が非常に大きいと言えます。5月6日に緊急事態宣言は5月末まで延長が決定したことで、さらなる大きな影響が懸念されます。
事態の長期化の影響で、これからもコロナ関連破たんは引き続き増勢を強める可能性が高まっています。
1、都道府県別(負債1,000万円以上)
まずは都道府県別で負債1,000万円以上の件数を見てみましょう。
- 東京都:327件(倒産310件、準備中17件)
- 大阪府142件(倒産135件、準備中7件)
- 神奈川県67件(倒産63件、準備中4件)
- 愛知県66件(倒産65件、準備中1件)
- 北海道60件(倒産59件、準備中1件)
東京都は全体の約4分の1(構成比23.9%)を占め、非常に多いことが分かります。
都道府県別では
- 10~20件未満:19県
- 20~30件未満:4府県
- 30件以上:11都道府県
に広がっています。
2、業種別(負債1,000万円以上)
続きまして、業種別の件数を見てみましょう。
来店客の減少、休業要請などで最も大きな打撃を受けた
- 飲食業:249件
が最も多く、東京都から初め一部地域では休業や時短の要請が継続し、これから飲食業の新型コロナ破たんがさらに増加する可能性が強まっています。
次いで、工事計画の見直し、備品の納品ができないなどの影響を受けた
- 建設業:119件
小売店の休業が影響した
- アパレル関連(製造、販売):114件
と続いています。
このほか、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響した
- ホテル,旅館の宿泊業:78件
となっています。
また、飲食業などの不振に下請けとなる
- 飲食料品卸売業62件
- 食品製造業47件
と飲食業界の不振が関連業種に波及している状況が見られます。
3、負債額別(負債1,000万円以上)
負債額が判明した1,340件の負債額別では、
- 1千万円以上5千万円未満:476件(構成比35.5%)
- 1億円以上5億円未満:462件(同34.4%)
- 5千万円以上1億円未満:230件(同17.1%)
- 5億円以上10億円未満:87件(同6.4%)
- 10億円以上:85件(同6.3%)
そのうち負債額1億円未満は合計706件(同52.6%)と半数を占めていることが分かります。一方、100億円以上の大型倒産も6件発生しており、中小企業から大企業まで経営破たんが広がっているのが実情です。
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