後継者選びで成功させるポイントは?おさえておきたい4つのこと

多くの中小企業が廃業という選択肢を選んだ最も大きな理由は、後継者が見つからないそうです。

中小企業庁の調査では、小規模企業は約6割、中規模企業は8割以上の会社は事業の継続をさせたいというデータが出ています。しかし、日本の約7割の企業は後継者がいないという深刻な問題を抱えています

せっかく努力して、苦労して育った会社を継続させたいと思われている経営者が多いのです。そこで今回は、事業承継する方法、後継者の選び方、事業承継を成功させるためのポイントなどについて書いていきます。これから後継者選びを検討されている方は、ぜひ最後まで読んでいただき参考にして頂けますと幸いです。

1、会社の事業承継には大きく3つの方法がある

会社の事業承継をするには大きく下記3つの方法が挙げられます。

  • (1)子どもなどの親族による承継
  • (2)役員などによる承継
  • (3)M&Aによる外部承継

では、それぞれについてみてみましょう。

(1)子どもなどの親族による承継

事業承継に最も多いのは子どもなどによる親族の承継です。中小企業庁の調査データでは、実際に後継者選びの条件の中でも「親族である」というのが最も重視されています。

しかし、

  • 子どもには会社を引き継ぐつもりがない
  • 子どもには会社を引き継ぐ素質がない
  • 親族の揉めにより所有株が分散した
  • 事業の将来性が不安

など、様々な理由により子どもなどの親族への承継がうまくいかないケースも多くあります。

なお、事業承継について詳しくは下記記事を参照にしてみてください。

(2)役員などによる承継

子どもなどの親族ではなく、会社の事業を熟知している優秀な役員などに引き継いでもらうのも一つの選択肢として挙げられます。

役員が会社を引き継いだ場合、マネジメント・バイアウト(MBO)と呼ばれており、

  • 短期間にて承継ができる
  • 社員による反発が少ない

などのメリットがある反面、会社を買収するファイナンスの用意ができないなどのデメリットもあります。

MBOのデメリットの解決方法などについて詳しくは売手会社の記事を参照にしてみてください。

(3)M&Aによる外部承継

8年連続成約件数が伸び続けているM&Aを活用して、会社を事業承継する方法もあります。

事業承継ではM&Aに対しても浸透しはじめていて、

  • 現経営者は売却益が得られる
  • 社員が安定する
  • 事業が継続される

などのメリットが挙げられます。実際に事業承継にてM&Aに対して前向きに検討されている方も多くいます。

とりあえず会社の価値を知りたい方は、無料で査定できる「M&Aリサーチ」をぜひ活用してみてください。

URL:https://ma-value.com/

なお、M&Aについて詳しくは下記記事を参照にしてみてください。

2、後継者選びする際に重視されるポイントとは?

下記中小企業庁の調査データを見て頂ければ分かりますが、個人企業、法人とも共通する「親族である」というポイントの他に

  • 自社の事業・業界に精通していること
  • 経営に対する意欲が高いこと
  • 決断力・実行力が高いこと

と、経営者として必要とされている業界の知識、決断力、経営したいという意欲が上位にランクインしています。

業界の知識があっても、経営者としての素質があっても、経営したい、会社をよくしたいという意欲がなければ、ただ言われたからやっただけとなり、会社を引き継いでもいい業績は出せないでしょう。

他には社員についてきてもらうためのリーダーシップ、仕事を円滑に回すためのコミュニケーション力、役員や社員に反発が起きないための人望なども後継者を選ぶ時のポイントとして挙げられています。

出典:中小企業庁

3、後継者の育て方が重要!

後継者を選ぶ時のポイントはもちろん重要ですが、とは言え、選んだどころですぐに後継者になれるわけではありません。事業承継による引き継ぎは大体10年かかると言われていて、つまり、後継者を選んだら終わりではなく、優秀な後継者になってもらうためには育成していくことが非常に大切な過程になります。

後継者の育て方は色々ありますが、大きく

  • (1)自社で鍛えてもらう
  • (2)他社で鍛えてもらう

と分かれています。それぞれにメリットとデメリットがありますので、以下にて詳しくみてみましょう。

(1)自社で鍛えてもらうメリットとデメリット

自社で働いてもらうことによって、自社のサービスや事業内容について熟知してもらうことができ、また、役員、社員との信頼関係を築くことができるなどのメリットがあります。

デメリットとしては自社のことだけになってしまうため、他社の風土、社員教育、経営方針などを知ることができないところです。

(2)他社で鍛えてもらうメリットとデメリット

一方、他社で働くことによって、人脈を作ることができる、他社のいいところを取り入れるなど今までの組織再編したりなどすることができるなどのメリットがあります。

デメリットとしては、自社のサービスについて勉強する、役員、社員との関係づくりなどに時間がかかることです。

4、事業承継を成功させるには現経営者の役割が大きい

事業承継で成功させるには後継者のスキル、素質なども重要ですが、現経営者の協力も非常に重要です。

(1)きちんと引き継ぎをする

会社を引き継いだあとに様々な問題が起きることを当たり前に思われている方も多いですが、実はそれは前の経営者との引き継ぎがうまくできていなかったことが大きな原因です。

後継者は自分のスキルを高めてスムーズに会社を引き継ぐことに努力するのと同じように、現経営者はいかにスムーズに引き継いでもらえるか、その引き継ぎの準備をきちんとやっておくべきです。

引き継ぎでうまくいかず会社の業績が落ちてしまうことによって、会社の評判が下がるのと同時に社員のモチベーションも下がりますので、そうならないようきちんと準備しておきましょう。

(2)余計な口出しをしない

特に創業社長に多いのは、会社を事業承継したあとにも、後継者に任せることができず何かと経営に口出しをしてしまうことが多いです。

会社を承継したのであれば、後継者の働きを見守るべきであって、中には会社をさらなる発展するため、新しい事業、仕組みを取り入れることはよくあることです。いちいち前社長に口出しされたらやりにくいものです。

後継者を信じて応援してあげましょう。

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まとめ

今回は後継者を選ぶ時のポイントなどについて書きましたが、参考になりましたでしょうか。

なかなか後継者が見つからない中で事業承継で悩まれている方も多いですが、親族のみではなく、もっと広い視野で選択肢を広げることが大切と言えるでしょう。

八木チエ

八木チエM&A INFO プロデューサー

投稿者プロフィール

大学卒業後、7年間IT会社の営業を経験し、弁護士事務所に転職。
弁護士事務所で培った不動産投資の知識を活かし、業界初の不動産投資に特化したメディアを立ち上げ。2018年に株式会社エワルエージェントを設立。不動産投資「Estate Luv」、保険「Insurance Luv」などのメディア運営やメディアのコンサル事業に特化。
M&A業界が盛んになった今、M&Aの情報を正しく伝えたい、もっと多くの人にM&Aの魅力を知ってもらいたいと思い、M&Aに特化したメディア「M&A INFO」を立ち上げ。より有益な情報を多く配信している。

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