会社の売却価格に相場はあるの?会社の売却価格算定方法を解説!
会社の売却を検討するとき、まず気になるのが、いくらで会社を売却できるのかということではないでしょうか。会社の売却価格には相場というものはあるのでしょうか。
実は、会社の売却価格を測るには、会社の規模や特性、成長ステージ、会社を取り巻く外部環境、業種の人気、市場動向など、さまざまな角度から総合的に判断するため、一概に「相場はいくら」と金額を提示することは難しいといえます。
とはいえ、M&A会社などに相談する前に、主導権を握りながら進めるには自社の売却価格の目安を知っておくことは重要です。
今回は、会社の売却価格の算定方法について、会社の売却価格の相場の考え方などについて解説していきます。これから会社の売却を検討されている方は、会社の算定方法を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
1、会社売却とは?
会社売却とは、会社を全てそのまま譲渡することです。中小の企業においては、多くのケースで株式譲渡のM&A方式を採用しています。
株式譲渡のM&Aで会社を全部丸々譲渡する場合、会社の株式全部を買い受ける会社に譲り渡します。
この株式譲渡は、売却をする会社の株主が、所有している株を、買い手である会社に譲り渡す形式で行われます。したがって、譲渡対価は株主が受け取ることになります。
2、企業売却の相場は?
会社を売却するとき、いったい、いくらで売れるのかが気になると思われます。売却価格の相場というものはあるのでしょうか。
会社の売却価格は、単純に電卓を打てば算定できるという性質のものではありません。会社の規模や特性、成長ステージ、会社を取り巻く環境、業種の人気度合、株式市場の株価動向など、総合的に判断した上で、金額を提示することになります。
とはいえ、会社が持つ数値で表される情報をもとに自社の売却価格を算定し、それをおおよその目安・相場とすることができます。
会社売却の相場を算出する方法には主に
- コストアプローチ
- マーケットアプローチ
- インカムアプローチ
の3種類があります。それぞれの特徴などについて詳しくは「3、法人を売却する時の目安は?売却価格を計算する方法」にて紹介していきます。
3、法人を売却する時の目安は?売却価格を計算する方法
それでは、実際に会社にはいくらの価格がつくのか?その算定方法について見ていきます。
会社価格の算定方法には大別してコストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチの3つに分けることができます。さらにそれぞれのアプローチに対して複数の算定方法があります。
以下、これら3手法について見ていきましょう。
(1)コストアプローチによる会社売却価格相場の算定方法
①簿価純資産法
簿価純資産法とは、貸借対照表上の資産から負債を控除した純資産をその会社の株式価値とする方法です。
会社の純資産を株式価値とみなす考え方なので、純資産を発行済み株式総数で除することで、一株あたりの会社価値が算定できます。
②時価純資産法
簿価純資産法が資産と負債の簿価そのままを使用するのに対し、時価純資産法は、全資産・負債を時価換算します。
そして、時価換算した資産から負債を差し引いた時価ベースの純資産を用いて会社価値とする方法が、時価純資産法です。
③コストアプローチのメリット・デメリット
コストアプローチは貸借対照表の純資産を元に会社価値を算定しているため、客観性・公平性のある評価方法と言えます。
中小企業経営者にとって分かりやすく、そのため採用されることも多く、貸借対照表を作成すれば、すぐに評価を行えるというメリットがあります。
一方、純資産を計算の基礎としていることから、過去の実績のみからの評価となり、将来の収益性を考慮していないため、将来性のある会社の場合は、過小評価となる場合があり、これがデメリットとなりえます。
(2)マーケットアプローチによる会社売却価格相場の算定方法
①類似会社比較法(マルチプル法)
類似会社比準法とは、主に非上場会社の会社価値を算定する場合に取られる方法です。非上場会社は市場価値がないため、評価対象会社に類似する上場会社の株価をベースに評価対象会社の価値を算定します。
たとえば、会社の事業規模や業界、顧客層、製品やサービスの種類などから、同じ業界の上場企業の中から類似する企業を選定し、そこにPERやPBRなどの財務指標も参考に、それらの会社の株価から評価対象会社の株式価値を算定します。
類似会社比準法は、類似企業として選択した会社が妥当であるかと言った問題や、たとえば、ベンチャー企業のように類似する規模、業種の会社が存在しない場合に適切な評価ができないといった問題があります。
また上場企業の株価をベースにしていることから、その評価対象とする会社が固有に持つ本来の価値を見落とし、誤った評価をする可能性もあります。
類似会社比較法(マルチプル法)について詳しくは下記の記事を参照にしてみてください。
②市場株価法
市場株価法は、上場会社の会社価値を算定する場合に利用されます。
上場会社の株価は、長期的にはその会社の上雷における収益獲得能力に基づく会社価値を適正に反映していると考えられます。一方、短期的には、為替変動や世界情勢など、会社の収益力とは関係なく変動することもあるため、日々の終値を1~3ヵ月程度の期間で平均を取り、これをその会社の価値とするのが一般的です。
②類似取引比準法
類似取引比準法とは評価対象会社と事業の種類が同一か、または類似する複数の上場会社のM&Aの取引額を参考に取引倍率などを算定し、これに評価対象会社の財務数値に乗ずることにより会社価値を算定する方法です。
通常、M&Aを行う場合、買収先のさまざまな潜在的リスクを含めたプレミアムが加味されることから類似会社比準法に比べて高くなる傾向があります。
③マーケットアプローチのメリット・デメリット
マーケットアプローチの特徴として、客観性や市場での取引環境の反映の点では優れているとされています。
一方で、ビジネスモデルや成長ステージが異なる会社や、類似の上場企業がないケースなどにおいては、評価対象となっている会社に固有の性質を反映させらないというデメリットがあります。
(3)インカムアプローチによる会社売却価格相場の算定方法
①DCF(Discount Cash Flow)法
DCF法は、会社が将来において獲得する収益力をベースに会社価値を算定する方法です。将来予測をベースに算出しますので、将来の事業計画をどう作るかによって、価値が大きく変わってしまいます。
DCF法は会社価値を意図的に操作することができるため、将来計画の信ぴょう性が高いものあることが重要です。
②配当還元法
配当還元法とは、株主への配当金額をベースに、会社価値を算定する方法です。将来において支払う予定の株式配当金を現在価値に割引くことによって会社価値が算定されます。
配当をする予定がない企業や、成長企業であっても配当していない企業については会社価値の算定はできません。また、安定的に配当があっても少額配当を継続している場合は、企業評価は過小になりやすいというデメリットがあります。
この評価法は、企業の配当政策と収益力の関連性が高い場合に適した方法と言えます。
③インカムアプローチのメリット・デメリット
インカムアプローチの特徴として、収益の将来獲得能力や固有の性質を評価結果に反映させる点で優れています。
一方、事業計画などの将来の情報について、恣意性の排除が難しく、意図的に操作できる点が問題となります。またインカムアプローチは会社が事業を継続していくことを前提とした方法であるため、企業の継続性に問題がある場合には慎重な適用が求められます。
4、会社の売却価格は計算方法によって異なる?複数の方法で計算すべき?
企業価値評価は、M&Aにおいて買収金額を決める際には重要な手続きとなります。
上で述べた通り、会社価値の算定方法は複数あり、企業の規模や目的に応じて適切な方法を策定し、場合によっては、3つほどの計算方法を活用して、最も妥当な金額を適用するといいでしょう。
5、企業の売却価格に影響する要素は?
上で述べたような財務数値を活用した会社価格の算定方法以外に、実際に売却価格に影響する様々な要素が隠れています。
たとえば、買い手は買収価格を決定する際に、以下のことを買収価格の算定要素と考えているでしょう。
- 役員報酬の金額は、業務の実態に照らして妥当な金額かどうか
- 売掛債権の回収可能性は十分か、不良債権はどれくらいあるか
- 土地や建物、有価証券は含み損益があるか
- 簿外債務、保証債務はないか
このような検討の結果、たとえ赤字企業であったとしても、
- 自社のノウハウと組み合わせることで黒字化できる
- 役員報酬を減らせば黒字化できる
- 不動産を売却すれば黒字化できる
など、それは買収価格に反映されることになるでしょう。
6.高く売却するには?無料にて利用できる会社価値の算定サイト
売却価格を交渉する時にまずは自社の価値を把握しておく必要があります。その時にオススメしたいのは無料で利用できる「M&Aリサーチ」です。
わずか1分であなたの会社価値を査定できます。これから会社売却を検討されている方はぜひ「M&Aリサーチ」を活用してみてください。
7.会社を売却するときはどこに依頼する?
会社を売却する時はM&A仲介会社に売却を依頼する方がほとんどでしょう。仲介会社の報酬体系に着手金がかかる会社もあれば、最後ご成約する時にのみ成功報酬が発生する会社もあります。コストをおさえたい方は、成功報酬のみの仲介会社である「インテグループ」、「クラリスキャピタル」に問合せしてみるのはいかがでしょうか。
なお、赤字会社、債務超過の会社の売却を検討されている方は、赤字会社でも積極的に対応してくれる「みどり財産コンサルタンツ」に問合せしてみてください。
一方、M&A仲介会社に売却依頼となると、色々と手続きが必要になるため、まだ検討レベルの場合はなかなか相談しにくいと思われている方も少なくないでしょう。
そのような方にオススメしたいのはM&Aのマッチングサイトです。下記にて売手会社はご成約まで全てゼロ円で利用できる3つのサイトをピックアップしましたので、ご興味がある方はぜひ登録してみてください。
(1)スピードM&A
スピードM&Aは、M&A仲介とマッチングサイトの2つのサービスが統合した、新しい形のハイブリッド型M&Aプラッ トフォームです。 オフライン(仲介)とオンライン(マッチングサイト)の相乗効果により、 多面的・多角的な総合支援を行うことで、最適かつスピーディーな事業承継・M&Aをサポートします。
スピードM&Aの特徴としては、規模や業種を問わずあらゆる案件が掲載可能なのと、譲渡価格にして、100万円未満から数億円以上の案件まで幅広く利用することが可能です。
基本的な利用料やご相談は完全無料となっていて、売手会社は最後成約まですべて「0円」と、全くコストをかけずに利用することができますので、【完全無料】買い主様の会員登録はこちらからからご利用ください。買手会社の場合は完全成功報酬型を採用しており、成約時の報酬は成約価格に連動しますが、最低手数料は業界最安水準の「20万円」と、低コスト及び短期間でのM&Aを実現することが可能です。
(2)ビズリーチ・サクシード
ビズリーチ・サクシードは、株式会社ビズリーチが始めた、国内最大級の事業承継M&Aプラットフォームです。会社や事業を売りたい売手会社と、買手会社をオンライン上でマッチングするサービスです。サイト上に売り案件(譲渡案件)は常時2,300案件を掲載しており、買手会社も5,100社登録しています。
ビズリーチ・サクシードは買手会社登録をしないと、売手会社の情報を見ることができないようになっているのも大きな特徴で、完全に情報を非公開で売却したい方には非常にオススメしたいサイトです。また、売手会社はサイト利用からはじめ、最後のご成約まですべて「0円」にて利用することができます。
買手会社は基本ご成約した時に成功報酬が発生し、成約価格の2.0%の手数料がかかりますが、売手会社の情報を無制限に見たい場合は、有料会員登録が必要になります。つまり、ビズリーチ・サクシードには毎月料金を支払って、M&Aを本気に検討されている買手会社が集まっています。そのような会社にアプローチをして欲しい売手会社の方は、ぜひ登録してみてください。
(3)Batonz(バトンズ)
Batonz(バトンズ)は、跡継ぎをすぐに探せるだけでなく、 全国の士業事務所や金融機関が「承継アドバイザー」として交渉をサポートしているのが特徴です。 承継アドバイザーは、累計成約実績4,500件を誇る日本M&Aセンターグループである バトンズが提供するノウハウを受け継ぎ、承継後のリスクを低減した安全な事業承継を実現しています。
バトンズの累計ユーザー登録数28,000人超、累計成約実績数は200件で、 国内の事業承継マッチングサービスでは最大級の会員基盤・成約実績となります。
Batonz(バトンズ)を利用する売手会社は、最後成約まで報酬「0円」で利用することができます。買手会社の場合は最後ご成約した時に成約価格「5%」の報酬が発生します。最低報酬は「25万円」となります。
なお、専門家に支援を依頼する場合は別費用がかかります。こちらに関しては売手会社、買手会社同様です。
また、オプションとして企業評価、不動産評価なども提供しています。
お問合せフォーム
当サイトでは無料にて会社売却、経営相談などの対応をさせて頂いています。
赤字会社の売却含め、ご相談いただければと思います。
まとめ
今回は、会社売却における相場の算出方法について紹介しましたが、参考になりましたでしょうか。「
「コストアプローチ」「マーケットアプローチ」「インカムアプローチ」の3種類があり、それぞれ異なる特徴やメリット・デメリットもあります。会社のビジネスモデルによって高く評価してもらえる計算方法もあれば、逆にあまり評価してもらえない計算方法もあります。
人材やノウハウなどの無形資産も考慮して、1つの計算方法に限らずに複数の方法で計算し、最も妥当な金額でご成約にしていただけたらと思います。
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