新型コロナの影響でこれから倒産ラッシュ?その中から会社を守る3つの施策

1920年に創業した大阪のふぐ専門店「づぼらや」が、新世界本店、道頓堀店ともに閉店したことに、残念に思われている方も多いのではないでしょうか。

昨日6月11日17時時点の東京商工リサーチの発表によりますと、「新型コロナウイルス」の影響を受け経営破綻して、そのうち負債が1,000万円の会社は全国で238件も達したようです。

国からコロナ融資、給付金、補助金、助成金、税金の特別措置など様々な施策を打ち出しているにも関わらず、倒産件数が増えています。それにはどのような原因があるのか、また、自分の会社は同じようなことにならないように、どのような施策を立てられるのかなどについてまとめてみました。

新型コロナウイルスの影響で会社の経営に苦しんでいる経営者、倒産を避けたい経営者は、ぜひ最後まで読んでみてください。

1、コロナによる倒産件数は月間100件を超える可能性もある?

6月11日17時時点の東京商工リサーチの発表によりますと、「新型コロナウイルス」の影響を受け経営破綻して、そのうち負債が1,000万円の会社は全国で238件も達したようです。

(1)倒産会社数の推移

倒産した会社数は、2月の2件から3月に23件と約10倍に増え、更に4月にも3倍以上の84件に急増し、5月も83件と高い件数となっています。6月11日の時点では既に46件が判明しており、100件を超えるかもしれないとの見込みが出ています。

(2)都道府県で見る倒産会社数

下記全国エリアのグラフを見て頂ければわかりますが、長崎県、鳥取県、高知県、福井県、和歌山県の5県を除いて、42の都道府県において倒産件数が出ています。

そのうち、

  • 東京都:52件

と最多になり、その次は

  • 大阪府:22件
  • 北海道:17件
  • 静岡県:13件
  • 兵庫県:12件

の順になっています。

出典:東京商工リサーチ

(3)業種別でみる倒産会社数

業種別で見てみると、緊急事態宣言により営業自粛、来客が激減したことで最も大きく影響を受けた飲食業が「36件」を占めています。

その次は外出自粛により、インバウンド需要が減り、旅行、出張なども激減した影響で、飲食業に続き宿泊業は「35件」となり、百貨店、小売店も休業による影響でアパレル関連は「28件」と続いています。

その他食品関連「31件」、冠婚葬祭業「7件」、パチンコホール「3件」、不動産業「3件」と幅広い業種に影響が出ていることがわかります。

2、国の緊急対策があるのにも関わらず倒産が相次いだ原因は?

コロナウイルスの影響を受け、国からコロナ融資、給付金、補助金、助成金、税金の特別措置など様々な施策を打ち出しているにも関わらず、このような倒産が相次いだ原因はなんでしょうか。

大きく以下のような原因が挙げられるのではないかと考えています。

(1)コロナ融資は業績回復見込みがある会社のみ?

今回のコロナウイルスの影響を受け、いち早くコロナ融資をスタートしたのは政策金融公庫のコロナ融資と言えるでしょう。

融資の利用条件としては「前年比で売上が5%を減少した場合は、当初の3年間は1億円を限度に0.21%まで利下げする」「売上が20%を超える場合は、当初3年間は実質無利子」と実は非常に有利な条件で融資を受けることができるようになっています。

それに新規の借り入れだけではなく、借換えも同じ条件で利用できるようになっています。実際に私の知り合いの代表で、この借換えができた方は何人もいらっしゃいました。

①6ヶ月先に立て直し見込みがある会社にのみ融資?

では、融資があるのであれば融資を利用することができれば、倒産を免れたのではと疑問に思われる方もいるでしょうが、実はこのコロナ融資は表面上では借りやすいイメージがありますが、審査の時は「この先6ヶ月間で会社を立て直せるかどうか」を厳しく審査しています。

つまり、コロナの影響を受け融資条件を該当しても、融資をしたところで、この先の6ヶ月で会社を立ち直しの見込みがない場合は、ほとんど融資額が出ないだそうです。

②融資の実行までに時間がかかっている?

もう一つは、融資の実行まで時間がかかっていることです。

コロナ融資の実施に伴って、申請件数がどんどん増えています。3月の時点では2万件前後と言われていましたが、ゴールデンウィーク明けのタイミングでは7万件の申請件数に上ったと言われていました。

担当者は交代制で出勤している関係もあり、審査に時間がかかっています。特に今まで融資の実績がなく、今回のコロナで初めて融資を申請した新規の方は更に初期審査で時間がかかってしまい、書類を申請してから面談の予約まで大体1ヶ月前後かかっているようです。

面談のあとに最終審査がありますが、この審査は大体2営業日で結構早く対応してもらえますが、その後の着金までの対応は、またパンク状態に近いということで、更に3週間から1ヶ月かかるというスケジュールになっています。

そのため、家賃、人件費の支払いなど固定費がかかっている飲食業などの業界は、収入がないにも関わらず支出が膨らんでしまい、更に融資の着金までに時間がかかっていることから、支払いに追いつかなかったのも一つの原因と言えるのではないでしょうか。

(2)実際に国・自治体のサポートを利用していない?

2020年4月15日〜19日にLINEが法人・個人事業主を対象に実施した「新型コロナ対策の状況に関するアンケート」のデータによると、なんと国・自治体のサポートを利用していない企業は全体の「88%」も占めており、そのうちの52%はサポートの内容について把握していないとのことです。

その理由は

  • どうせうちは該当しない
  • 仕組みが難しすぎて理解ができない

など、勝手な思い込みもありますが、仕組みの難しさも一つ高い壁のようです。せっかく国・自治体がサポート体制を作ってくれたのに利用しないのは非常にもったいない。当サイトでは属性別に利用できるサポート体制をまとめており、動画にて申請手順なども分かりやすく紹介していますので、ぜひ参考にしながら受けられるサポートを申請してみてください。

なお、仕組みについて分かりにくい、申請仕方がわからない方は、当サイトにて無料相談も対応しておりますので、ぜひ問合せしてみてください

(3)コロナの前に既に業績が落ち込んでいた?

実はコロナの前に既に業績が落ち込んでいて、コロナの影響で一気に加速して倒産に至ったのも一つの理由として挙げられるのではないでしょうか。

冒頭に書いた「づぼらや」も、先日民事再生法適用を申請したナレウンも、実はコロナの前から業績が低迷していました。コロナの影響で業績が一気に悪くなり倒産という結果に至ったと言えます。

実際にコロナとは全く関係なく業績が悪かった会社が、コロナ融資を活用して生き延びた会社も見受けられます。金融機関では業績が下がったことにしか条件にしていないので、申請時期、申請条件を満たしていれば受けることができたのです。

3、これから来る倒産ラッシュから会社を守る施策は?

緊急事態宣言は解除されたとは言え、景気回復するのに時間がかかるのと、今まで通りに回復する見込みもない中で、どのように会社を守るのでしょうか。

大きく下記のような施策をピックアップしましたので、ぜひ参考にしてみてください。

  • (1)適用できるサポート制度は全て申請する
  • (2)事業、ビジネスモデルの見直し
  • (3)会社、事業譲渡をする

では、順番に見ていきましょう。

(1)適用できるサポート制度は全て申請する

会社を継続していくには、キャッシュつまり現金を持つことが非常に重要なことです。まず最初に挙げられる対策はやはり国・自治体のサポート体制を確認し、適用できる体制を漏れなく申請するようにしましょう。

サポート体制としては、

  • 返済する必要がなく受け取れる「給付金・補助金」
  • 利用できるコロナ融資制度
  • 減額・免除を受けられる特例
  • 納税期限が猶予されるなどの特別措置

など多くの措置が挙げられます。

下記の記事を参考にご自身の属性に合せて申請してください。

なお、本日(6月12日)に新型コロナ対応の2次補正予算成立し、なんと過去最大の31.9兆円の規模にものぼります。「雇用調整助成金」の日額上限引上げ、「家賃支援給付金」の創設など雇用と事業の継続ための資金源となるようです。

(2)事業、ビジネスモデルの見直し

ニュースにも出ていましたが、総合居酒屋チェーン店のワタミは、採算が取れない直営店65店舗を閉店し、回転寿司のような特急レーンで肉を運んでくる焼き肉の食べ放題という新業態をスタートしたり、セブンイレブンは2020年6月からクレジットカードなどの非接触決済(NFC Type A/B)を導入し、暗証番号入力不要で支払いができるようになるなど、新しいビジネスモデルを導入したり、切り替えたりしています。

つまり、コロナの影響を受け今までの事業、ビジネスモデルでは成り立たなくなり、これからも継続していくには、新しいビジネスモデルへの転換が必要になるケースが多くなります。

これについては正直なにが正解なのかは分かりません。業種によってもユーザーのニーズが異なったり、ご自身で業界の動き、ユーザーの動きなどを分析する必要も出てくると思います。

例えば、ドミノ・ピザは2012年から展開してきた持ち帰りの場合は、2枚目無料というサービスを今まで提供してきましたが、コロナウイルスの影響でデリバリーや持ち帰りの需要の拡大を受け、単身者など少人数世帯も取り組みたいという狙いで、お持ち帰りであれば1枚でも、何枚でも半額という新しいサービスを6月15日からスタートするようです。

このように、コロナによるサービスの見直し、新しいサービスの提供などによって、新しい市場開拓に繋がっていきます。今一度自社のサービスを見直してみてください。

(3)会社譲渡、事業譲渡を検討する

コロナショックで市場のニーズが大きく変わりました。大手から始め、どんどんビジネスモデルチェンジが進めている中で、零細企業、資金力が弱い企業はなかなかそう簡単にはいかない会社も少なくないでしょう。

この先会社の方向性、ビジネスモデルで迷われている会社、会社を丸ごと売る、もしくは法人格を残して、事業だけを売却することを検討してみるのはいかがでしょうか。

会社が倒産してしまうと、今まで大切に育ってきた会社も、大切な従業員も守れなくなりますが、会社、事業を売却することによって、会社を守る、大切な従業員を守ることができます。

中には業績が悪化し、赤字、債務超過になる会社もあると思いますが、こんな会社は誰も買ってくれないと思い込んでいる経営者も多いようですが、赤字の原因によって、売却をできる場合も少なくありません

なので、自分で判断するのではなく、一度当サイトに相談してみてください。また、最近ではM&Aのマッチングサイトを利用する人も増え、売手会社でしたら最終契約まで無料にて利用することも可能です。

一度登録して、どれくらいの買手からのアプローチがあるのかを見てみるのも一つの選択肢と言えるでしょう。

以下には売手会社が無料にて利用できる3つのマッチングサイトをピックアップしましたので、ご興味がある方はぜひ登録してみてください。

(1)スピードM&A

スピードM&Aは、M&A仲介とマッチングサイトの2つのサービスが統合した、新しい形のハイブリッド型M&Aプラッ トフォームです。 オフライン(仲介)とオンライン(マッチングサイト)の相乗効果により、 多面的・多角的な総合支援を行うことで、最適かつスピーディーな事業承継・M&Aをサポートします。

スピードM&Aの特徴としては、規模や業種を問わずあらゆる案件が掲載可能なのと、譲渡価格にして、100万円未満から数億円以上の案件まで幅広く利用することが可能です。

基本的な利用料やご相談は完全無料となっていて、売手会社は最後成約まですべて「0円」と、全くコストをかけずに利用することができますので、【完全無料】買い主様の会員登録はこちらからからご利用ください。買手会社の場合は完全成功報酬型を採用しており、成約時の報酬は成約価格に連動しますが、最低手数料は業界最安水準の「20万円と、低コスト及び短期間でのM&Aを実現することが可能です。

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(2)ビズリーチ・サクシード

ビズリーチ・サクシードは、株式会社ビズリーチが始めた、国内最大級の事業承継M&Aプラットフォームです。会社や事業を売りたい売手会社と、買手会社をオンライン上でマッチングするサービスです。サイト上に売り案件(譲渡案件)は常時2,300案件を掲載しており、買手会社も5,100社登録しています。

ビズリーチ・サクシードは買手会社登録をしないと、売手会社の情報を見ることができないようになっているのも大きな特徴で、完全に情報を非公開で売却したい方には非常にオススメしたいサイトです。また、売手会社はサイト利用からはじめ、最後のご成約まですべて「0円にて利用することができます。

買手会社は基本ご成約した時に成功報酬が発生し、成約価格の2.0%の手数料がかかりますが、売手会社の情報を無制限に見たい場合は、有料会員登録が必要になります。つまり、ビズリーチ・サクシードには毎月料金を支払って、M&Aを本気に検討されている買手会社が集まっています。そのような会社にアプローチをして欲しい売手会社の方は、ぜひ登録してみてください。

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(3)Batonz(バトンズ)

Batonz(バトンズ)は、跡継ぎをすぐに探せるだけでなく、 全国の士業事務所や金融機関が「承継アドバイザー」として交渉をサポートしているのが特徴です。 承継アドバイザーは、累計成約実績4,500件を誇る日本M&Aセンターグループである バトンズが提供するノウハウを受け継ぎ、承継後のリスクを低減した安全な事業承継を実現しています。

バトンズの累計ユーザー登録数28,000人超、累計成約実績数は200件で、 国内の事業承継マッチングサービスでは最大級の会員基盤・成約実績となります。

Batonz(バトンズ)を利用する売手会社は、最後成約まで報酬「0円」で利用することができます。買手会社の場合は最後ご成約した時に成約価格「5%」の報酬が発生します。最低報酬は「25万円となります。

なお、専門家に支援を依頼する場合は別費用がかかります。こちらに関しては売手会社、買手会社同様です。

また、オプションとして企業評価、不動産評価なども提供しています。

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お問合せフォーム

当サイトでは無料にて会社売却、経営相談などの対応をさせて頂いています。

赤字会社の売却含め、ご相談いただければと思います。

まとめ

今回はコロナウイルスの影響を受け、倒産した会社数の現状と、これから来ると言われている倒産ラッシュから会社を守るための施策について書きましたが、参考になりましたでしょうか。

新しい事業、ビジネスモデルのチェンジも必要になりますが、その前に国・自治体が実施している施策を確認した上で、自社が受けられる対策は必ず受けるようにしましょう。

八木チエ

八木チエM&A INFO プロデューサー

投稿者プロフィール

大学卒業後、7年間IT会社の営業を経験し、弁護士事務所に転職。
弁護士事務所で培った不動産投資の知識を活かし、業界初の不動産投資に特化したメディアを立ち上げ。2018年に株式会社エワルエージェントを設立。不動産投資「Estate Luv」、保険「Insurance Luv」などのメディア運営やメディアのコンサル事業に特化。
M&A業界が盛んになった今、M&Aの情報を正しく伝えたい、もっと多くの人にM&Aの魅力を知ってもらいたいと思い、M&Aに特化したメディア「M&A INFO」を立ち上げ。より有益な情報を多く配信している。

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