M&Aの成約件数が年々増加しているそうです。2018年ではレコフデータの発表によりますと、なんと成約件数は「3,850件」と、2011年から8年連続の増加となりました。ここまでM&A業界が盛んになった背景はなんでしょう。
そこで今回の記事は、M&A業界が盛んになった背景、これからM&Aを検討する時の注意点をまとめました。M&Aを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1、M&Aの成約件数が年々増加
M&Aの成約件数が年々増加しています。
(1)2018年のM&Aの成約件数は3,850件
下記レコフデータが発表したデータを見ていただければ分かりますが、2018年のM&Aの成約件数は「3,850件」となっていて、2011年から8年連続の増加となりました。
出典:レコフデータ
(2)子会社、関連会社の新規設立よりM&Aを活用する件数が増えている
今まで子会社、関連会社を新規で設立することが主流でしたが、今ではM&Aを活用して会社を買収する件数が増えています。
出典:中小企業庁
(3)日本企業同士の件数が増えている
下記グラフを見ていただければ分かりますが、海外企業とのM&A件数よりも、日本企業同士でのM&A件数が増えています。
出典:レコフデータ
2、M&Aの件数が増加する背景は?
では、ここまでM&Aの件数が増加したのはどのような背景があるのでしょうか。
大きく下記3つの理由が挙げられます。
- (1)業界再編による必要性
- (2)事業承継による後継者問題
- (3)効率よくシナジー効果を出せる
では、それぞれについてみてみましょう。
(1)業界再編による必要性
日本のGDPのうち大きく割合を占めているのは個人消費です。少子高齢化などの影響を受け、市場は飽和状態になり、都市銀行から始め、
- コンビニ業界
- 百貨店
- 調剤薬局
- 自動車
- スーパーマーケット
など、様々な業界は再編が進んでいます。
大手企業ですら再編が進んでいる中で、中小企業はこの先勝ち組で残るには、M&Aを活用することは必然的な選択肢になっています。
- 買手会社として積極的に買収を行う
- 大手企業に売却してグループ会社になる
など、買手会社になることもできれば売手会社になることもできますので、そこでM&A業界が活発になる一つの背景と言えます。
(2)事業承継による後継者問題
2018年に帝国データバンクが実施した「後継者問題に関する企業の実態調査」では、日本企業の後継者の不在率はなんと約7割にも及ぶという深刻な状況になっています。
後継者がいない中で、後継者を探す一つの手法としてM&Aを活用する会社が増えました。
2019年衆議院調査局経済産業調査室の調査データによりますと、事業承継において5割以上の会社はM&Aについて前向きな姿勢を見せていて、また、中小企業庁の「中小企業白書・小規模企業白書概要」(2018年版)の調査データでは、実際に事業承継を背景にM&Aを実施した企業の生産性が高いというデータも出ています。
出典:衆議院調査局経済産業調査室「最近の企業動向等に関する実態調査」
出典:中小企業庁の「中小企業白書・小規模企業白書概要」(2018年版)
(3)効率よくシナジー効果を出せる
- 新しいエリアへの進出
- 新しい技術の開発
- 子会社の立ち上げ
- 資金調達のため
- 会社をスピーディーに拡大したい
など、様々な目的を達成して効率よくシナジー効果を最大限に享受するため、M&Aを活用する会社が増えました。
ゼロから子会社を立ち上げる、技術を開発するより、会社や技術を買収した方が短期間に成果出せるという買手会社のメリットが多くあります。一方、大手企業に売却した方が、人材、資金など様々なメリットを享受できる売手会社にもメリットが多くあります。
なお、M&Aをする目的について詳しくはM&Aの目的の考え方の記事を参照にしてみてください。
3、2019年はさらなる成約件数の増加?
上記に書かせて頂きましたM&Aが増加する背景の影響で、2019年も増加する傾向にあります。
下記レコフデータが発表したデータでは、2019年4月までの日本企業同士のM&A件数は、既に2018年の成約件数の約半分まで来ています。2019年前半では増加する傾向を推移していますが、後半は減速する可能性も否定できません。
出典:レコフデータ
M&A仲介会社の代表、弁護士、公認会計士など、M&A業界のベテランにM&A業界の現状、この先の見直しなど様々な観点のインタビューをしており、ご興味がある方はぜひ読んでみてください。
4、M&Aの成功率は低い!自分の会社に合ったM&Aの選択が重要
M&Aの成功率は3〜5割だと言われています。ビジネス上において非常に低い成功率と言えます。
M&Aアドバイザリーは常に売手会社、買手会社を探しています。中には業績が良かったからM&Aをススメられて、特に目的も明確にせずにM&Aを実施して失敗した会社も多くあります。
M&Aはただ単純に会社を売る、会社を買うという簡単な作業で成功するビジネスではりません。
- 成約価格の調整
- 優秀な人材の外部流出防止
- クライアントへの引継ぎ
など、様々な調整を行った上で、きちんと利益を出せてから成功と言えるわけで、自分の会社にとってなんでM&Aをする目的も明確せずに行ったところで、成功するはずがありません。
従って、M&A業界が盛んになったから、会社の業績が良かったからなど、流れに身を任せるのではなく、きちんと目的を明確にして、自社にとって本当にM&Aが必要なのか、目的を達成するにはどのM&A手法が適しているのか、きちんと検討してから実施するようにしましょう。
5、まずは自社の価値を知っておくことが大切
今のM&Aの成約価格は高値だと、売手会社にとっては有利な立場で買手を選ぶことができる、売手市場だと言われています。
自分の会社の価値はいくらあるのか、実際に相談する前に把握しておきたい方も多いでしょう。
そこでオススメしたいのは、匿名で無料にて会社価値の概算を算出することができる「M&Aリサーチ」です。わずか1分でご自身の会社価値がわかりますので、これからM&Aを検討されている方は、ぜひ活用してみてください。
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まとめ
日本国内の日本企業同士のM&Aの成約件数は、8年連続で増加しています。様々な背景の影響を受けかなり盛んになったと言えるでしょう。
その中で、自分の会社はどのようにM&Aを活用できるのか、M&Aを実施するメリットがあるのかなど、会社のこれからの事業方針に合わせて、M&Aをご検討頂けたらと思います。
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