前回の新型コロナウイルスの影響を受け不動産投資業界の現状に続き、今回は新型コロナウイルスの影響を受けた、不動産業界全体の現状などについてまとめました。
こちらの記事内容は、実際に私が所属している「一般社団法人Re Agent」に加入している仲介会社、管理会社、建設会社などの代表にお伺いした内容となっています。
なお、一般社団法人Re Agentは、不動産業をはじめ、ライフスタイルに関わる職業に従事する人々のヒューマンネットワークです。業界の慣習にとらわれることなく、お客様の利益を最大化するため、事業のあり方、働き方、情報提供のあり方について共に考え、切磋琢磨し、相互に研鑽することをビジョンに、活動をしております。
不動産業界全体の現状について把握したい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
1、賃貸の案内は厳しい状態が続いている
本来は2、3月は賃貸業界の繁忙期でありますが、3月からはコロナウイルスの影響で、現地案内はかなり厳しくなりました。
案内ができない分、空き部屋はなかなか埋まることができず、空室の長期化が見られます。
中に学生をターゲットとした物件は、一回入居が決まったものの、新学期の開始時期が決まらないことによって、一気にキャンセルが出てしまったケースもありました。
また、外出自粛が続いていることによって、入居者の在宅時間が増え、通常より入居者からのクレームも一気に増えました。同じ人から何度も連絡が来たり、細かいことでの連絡が目立ちます。在宅によるストレスが1つの原因として挙げられるでしょう。
2、大型建設案件のキャンセルや延期が目立つ
建設業界では予定していた建設案件は、新型コロナウイルスの影響を受け、業績が悪くなった依頼主からのキャンセルや建設時期の延期が目立っています。
建設案件は時間がかかるため、今すぐすぐ売上に影響が出るわけではないですが、秋ごろから来年にかけて、キャンセルや延期によって、会社の業績に大きくダメージを与えることになります。
それに備えて、今のうちから経費削減などの対策を打ち出しています。
また、建設に関しては、中国など海外から備品を輸入しているケースも多く、コロナの影響で中国の工場の生産が遅れるなどの原因で、備品が届かないことも多発しています。
3、民泊は完全に営業停止状態である
民泊に関しては、2月、3月にかけてキャンセルが相次いでいて、Airbnbからの要請もあり、民泊に関しては完全の営業停止状態になっています。
先日の不動産投資業界の記事でも少し民泊について触れましたが、業社が運営している民泊は規模が大きいため、現状は営業停止ですが、個人が運営している場合は、一般の賃貸に切り替えるなど柔軟に施策を立てているようです。
4、不動産売買にも解約が相次いでいる
不動産売買に関しては、事業主の要望により物件案内ができなかったり、売買契約していたものの、融資が通らなかったなどの理由で解約が相次いでいます。
融資が通らなくなった背景としては、新型コロナウイルスの影響で勤めている会社の業績が悪くなった、ボーナスカットなどご自身の収入が悪くなったなどが挙げられます。
先日の不動産投資業界で受けた影響にも書きましたが、投資業界においても融資の規模が縮小されたなどの動きが出始めています。不動産の購入はどうしても切り離すことができないのはファイナンスなので、購入を検討されている方は早めに進める必要が出てくるでしょう。
5、海外物件の契約も減っている
海外への渡航ができないことから、問合せ数も契約数も大幅に減少しています。日本国内のこともそうですが、新型コロナウイルスの影響による海外の経済の動きが読めないことも、なかなかご成約に至らない原因として挙げられます。
今まで対面セミナーをやっていたのですが、オンラインセミナーに切り替えることによって、スケジュールの調整がしやすくなどの理由もあると思いますが、セミナーへの参加人数は通常より増えています。参加がしやすくなった反面、ちょっとした情報収集のユーザー層が増え、なかなか面談まで進めることができないのは課題として感じられます。
6、コロナ対策として融資、助成金を活用
コロナウイルスの影響を受け、売上が減少しているのですが、やはりみなさんは社員を解雇しない方向で、コロナ融資や助成金を活用しています。
2月頃にコロナ融資を申し込んだ会社は、既に融資がおりている会社もあります。3月、4月中に融資を申し込んだ会社は、融資の申し込みが殺到していることから、まだ結果が出ていない状態です。
また、雇用を継続させられるよう、雇用調整助成金を検討している会社もいます。みなさんは今まで一緒に頑張ってきた社員さんを大切にしながら、このコロナショックを乗り越えられるよう様々な施策を取り入れています。
新型コロナウイルスの影響を受け、売上が減少した中小企業を守る、融資、給付金、補助金などの金融施策については下記の記事を参照にしてみてください。
なお、納税の猶予など税制上の特別措置も実施されています。詳しくは下記記事を参照にしてみてください。
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まとめ
今回はコロナウイルスの影響を受け不動産業界の動きについてまとめました。
大きく影響を受けていますが、社員を守る、会社を守るため各社なりの施策を立てられています。また、国の金融政策、補助金なども活用することが大きいと言えるでしょう。
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