M&Aの譲渡価格はどうやって決まるの?譲渡価格に影響する6つの要素

M&Aをするにあたり、譲渡価格はいくらになるかはみなさんが最も関心が高い情報ではないでしょうか。

売手会社はできるだけ高く売りたいのに対して、買手会社はできるだけ安くていい会社、将来性のある事業を買いたいと思っています。そこで、交渉をしながら最終的にお互いに満足のできる譲渡価格がFIXしていきます。

今回は、M&Aの譲渡価格の計算方法と、価格交渉するコツについて書いていきます。これからM&Aを検討されている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

1、M&Aの譲渡価格を計算する7つの方法

まず最初に、M&Aの譲渡価格を計算する7つの方法をご紹介します。

■中小企業向け

(1)時価純資産価額法

中小企業のM&Aで最も多く使われているのは「時価純資産価額法」です。

①時価純資産価額法とは

時価純資産価額法とは、会社の

  • もし今売ったらいくらになるかという「資産

から

  • もし今支払ったいくらになるかという「負債

を差し引いた「純資産」の時価相当額で会社の値段を算定する方法です。

しかし、純資産だけで算出すると、利益が出ている会社も、赤字が出ている会社も同じ金額が出てしまうため、将来見込まれる利益を時価に逆算して、純資産に追加して調整します。

ここでいう将来見込まれる利益は、「営業権」「のれん代」などと呼ばれ、帳簿に載っていない売手会社のブランド力、収益力、技術力、優良な顧客などを指します。

なお、営業権は年買法を使っていて、この先3〜5年は実績の収益力と同じ収益が得られるとして、先取して営業権として買収対象とする考え方をします。

例えば、実績の収益が2,000万円があった場合、営業権は2,000万円☓3年で6,000万円とみなします。

②計算式

時価純資産価額法は、下記計算式で算出することができます。

会社の概算価格=純資産の時価(資産の時価-負債の時価)+営業権

なお、ここで注意して頂きたいのは「もし今支払ったいくらになるかという負債」の項目です。

この負債の中に現状帳簿に記載されている借入金だけではなく、

  • 退職金
  • リース

など、将来に支払うであろう負債も含まれます。

③シミュレーション

以下の条件で会社を譲渡する時の概算価格を計算してみましょう。

  • 資産:6,000万円
  • 負債:4,000万円
  • 営業権:2,000万円☓3年

会社の概算価格=6,000万円−4,000万円+2,000万円☓3年=8,000万円

(2)簿価純資産法

簿価純資産法は、賃借対照表を使って、資産から負債を差し引いて「純資産」を算出する方法です。

財務諸表があればだれでも簡単に計算できますが、中小企業では正しい情報が記載されていなかったり、作成されていなかったりするケースも多いため、時価純資産価額法で算出する必要があります。

■上場などの大企業向け

(3)DCF法

大企業では最も使われている計算方法です。

DCF法による株式価値算定は、今の会社のキャッシュフローに将来の収益性を加味して、有利子負債などのリスクを差し引くことで企業の価値を算出します。

会社の将来性を加味することに重心を置きますので、予測できる範囲内の項目になるため、その前提条件の設定によって、算定価格が左右されます。

(4)市場株価法

市場株価法は、上場されている会社が対象となります。

一般的には、取締役会決議の前日株価を基準に

  • 1ヶ月平均
  • 3ヶ月平均
  • 6ヶ月平均

使われるケースが多いです。

なお、算定期間中に新しいサービスのリリースがあるなどプレスリリースの発表がある場合、株価の変動に対する影響を見ながら、算定期間を再度決めることになります。

(5)取引事例法

取引事例法とは、売手会社で過去にあった株式の取引実績に基づいて評価を行う方法です。

この方法を採用する場合、過去の取引価格が妥当かどうかを検討する必要があります。

(6)配当還元法

配当還元法とは、受け取る配当金から計算する方法です。

配当還元法は、「1株当りの配当金/利回り」で計算しますので、安定配当型の会社であれば安定しているため計算しやすいですが、業績連動型の会社だと配当金の想定は非常に難しくなるでしょう。

一般的には少数株主を対象とした売買に使われる場合が多いです。

(7)収益還元法

収益還元法とは、将来得られるであろう利益を基づいて計算する方法です。

収益還元法には、下記2種類の計算基準があります。

  • 当期純利益をベースとする考え方
  • 税引き後の営業利益をベースとする考え方

なお、将来の収益を予想するのが難しい、事業計画がない場合は、過去の事績ベースで想定することは多いです。

一般的には、収益還元法は将来にも安定した収益が得られる、成熟した業界に使われることが多いです。

なお、M&Aの手法について詳しくは下記記事を参照にしてみてください。

2、高く売るには?事業譲渡価格を左右する6つの要素

上記にて譲渡価格を計算する方法を紹介しましたが、では、実際に価格を計算する時にその価格を左右する要素について書いていきます。

価格を交渉する時に、有利に交渉するためきちんと要素を把握しておく必要があります。

(1)会社のビジョンと経営者の人間性

買手会社は、買収する会社のビジョンと経営者の人間性を見ています。

売手会社はどんなビジョンで会社を成長させたのかを判断します。一方、中小企業の場合、経営者の人間性で会社のカラーが分かるので、買収後スムーズに統合ができるのかどうかを判断する一つの要素になっています。

(2)事業の将来性

買手会社は、自社の事業をさらなる拡大のため、新規事業の開拓などを理由に事業を買収するケースが多いです。ただ目の前の利益、需要性だけではなく、将来的に拡大できる事業なのか、シェア獲得できるのかなどを判断しています。

(3)クライアント

買手会社からにすれば、クライアントが多い会社は買収後もそのまま取引ができ、新しくクライアントを探す必要がなく、安定して会社の経営を引き継ぐことができるという判断ができます。

(4)人材

少子高齢化の影響などを受け、どの業界も人材不足と言われています。人材不足という理由でM&Aにて会社の買収を検討されている会社も多くあります。

既にノウハウも技術力もある人材を多く抱えている会社は、買手会社にとっては非常に魅力的な条件になります。

(5)技術力

特殊な技術力を持っていたり、業界にトップレベルの技術力を持つ売手会社を、買収することによって、買手会社にとっては時間もお金も有効活用することができるのです。

既にある技術力をそのまま自社に統合することができれば、シナジー効果を最大限に発揮できるものです。

(6)顧客情報

顧客をたくさん抱えている会社は、買収後も安定した売上を得られることになります。

特に新規参入を検討されている買手会社にとっては、新規開拓は最も難しい課題です。既に顧客がある売手会社を買収できれば、最初の難関を超えたのと同じです。

3、無料にて会社の譲渡価格を概算する

ここまで読んで頂いた方は、まずは自分の会社の概算価格を知りたいと思われている方も多いでしょう。

ここでオススメしたいのは匿名で無料にて利用できるM&Aリサーチ」です。事業承継リサーチはわずか1分で自分の会社の概算価格を査定サイトです。とりあえず会社の概算価格を把握しておきたい方は、ぜひ活用してみてください。

M&Aリサーチ

URL:https://ma-value.com/

4、M&Aにおける2つの売却方法

自分の会社の概算価格を把握できたところで、実際にM&Aにおける売却方法を把握しておきましょう。

(1)M&A仲介会社などによる「個別交渉」

M&Aは非常に高い専門知識を要する業界です。実際にM&Aの成功率は3〜5割だと言われていて、ビジネス上において非常に成功率が低い分野と言われています。

従って、ご自身で交渉するよりは、やはり専門家にサポートしてもらう方がいいと考えています。なお、金融機関、証券会社は大型案件しか担当しないため、ここは中小企業をメインに担当してくれるM&A仲介会社を紹介します。

①M&A仲介会社を利用するメリット

M&A仲介会社を利用するメリットとしては、なんと言っても専門的なサポートをしてもらえることです。

その他にも

  • いい売手会社・買手会社の情報をもらえる
  • 自分の会社にとっていい条件での売買ができる
  • 税金のアドバイスがもらえる

などのメリットが挙げられます。

②M&A仲介会社を利用するデメリット

一方、デメリットとしては

  • 仲介手数料がかかる
  • M&A仲介会社選びで失敗する場合がある

などがあります。

M&A仲介会社を利用するメリット・デメリット、信頼できるM&A仲介会社の選び方について詳しくは下記記事を参照にしてみてください。

③オススメしたいM&A仲介会社

M&A業界が盛んになってきたことによって、M&Aの仲介に参入してきた業者も増えました。中にはほとんど実績がない業者も非常に多く、どのようにして信頼できる業者を選ぶかについて悩まれている方も多いでしょう。

当サイトにて実績がある、それぞれに特徴のあるM&A仲介会社をピックアップしましたので、M&Aを検討されている方は一度相談してみてはいかがでしょうか。

-インテグループ株式会社-

インテグループは2007年に設立され、今年で設立13周年を迎えるM&A仲介会社です。中堅・中小企業のM&A仲介、アドバイザリーに特化しており、最も大きな特徴はなんと言っても「完全成功報酬制」のところです。

インテグループはなんと

  • 着手金・中間金:0円
  • 月額報酬:0円
  • M&Aが不成立なら:0円

M&Aが成立して初めて費用発生しますので、無駄な費用は全く発生せず、非常に費用対効果はいいと言えます。

なお、ご成約したときは成約価格に連動して報酬が決まります。

実際にご成約するまで完全無料で対応してもらえるので、M&Aについて興味があるがまだ迷っている方は、気軽に相談できると言えるでしょう。

■オススメしたい方

  • 事業承継で課題を抱えている方
  • 取引実績が豊富なM&A仲介会社に依頼したい方
  • 仲介手数料などコストをおさえたい方

■会社概要

設立日 2007年6月
資本金 1億円
報酬体系 完全成功報酬(※最低報酬500万円)
本社所在地 東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル26F

詳細情報を見る

-株式会社クラリスキャピタル-

クラリスキャピタルは中央区に本社を構えているM&A仲介会社です。地方の対応は積極的に行っていないM&A仲介会社も多い中、クラリスキャピタルは東京を拠点に全国エリアで対応しています。

業界・業種を問わずに数多くの案件を対応していることから、そのノウハウを活かし様々な業界のM&Aを成約に導いています。

また、クラリスキャピタルの報酬体系も完全成功報酬となっており、成約価格が「1億円」を基準に報酬仕組みが異なっています

成約価格が1億円以上の場合は、成約価格に連動する仕組みですが、その成功報酬率は同業他社より「1%」低く設定しています。成約価格が1億円以下の場合は、下記のように成約価格によって固定報酬額を設定しています。

  • 5,000万円超1億円以下:300万円
  • 2,500万円超5,000万円以下:250万円
  • 2,500万円以下:200万円

最低報酬を500万円と設定されている仲介会社もいますが、それと比較してクラリスキャピタルは業界最安の「200万円となっています。いいサービスを提供してもらい、手数料などのコストもおさえたい方には非常にオススメしたい会社と言えます。

■オススメしたい方

  • 地方案件も積極的に取り込んでくれるM&A仲介会社を探している方
  • 中小企業の取引実績が豊富なM&A仲介会社を探している方
  • コストを安くおさえたい方

■会社概要

設立日 2014年(平成26年)5月
資本金 7,800万円
報酬体系 完全成功報酬(※最低報酬200万円)
本社所在地 東京都中央区湊二丁目15番14ー2502号

代表インタビューを読む

-みどり財産コンサルタンツ-


みどり財産コンサルタンツは、母体は会計事務所となっており、相続・事業承継、M&A、節税、資産保全のコンサルティングに特化した専門集団です。

税財務に関する高い知識を武器に、どこの金融機関にも属さない中立な立場でオーダーメイドにて最適提案し、お客様の希望をかなえ、課題を解決することを強みとしています。

事業承継・M&Aに携わった経験も豊富ですが、お金のプロ集団でもありますので、M&Aに向けて会社価値を高めるなど事前準備のアドバイスもして頂けるでしょう。

また、赤字会社のM&A経験も豊富ですので、赤字会社の売却を検討されている方はぜひ一度相談してみてください。

■オススメしたい方

  • 相続・事業承継を検討されている方
  • 会社の会計のアドバイスも含めてして欲しい方
  • 赤字会社の売却を検討されている方

■会社概要

設立日 2003年(平成15年)11月
資本金 1,000万円
報酬体系 完全成功報酬(※最低報酬500万円)
本社所在地 東京都千代田区有楽町1-5-1 日比谷マリンビル8階

詳細情報を見る

(2)マッチングサイトによる「オークション形式交渉」

最近、買手会社の情報、もしくは売手会社の情報をネット上に公開し、M&Aのマッチングサイトが増えてきました。

①マッチングサイトを利用するメリット

マッチングサイトを利用するメリットは、売手会社、買手会社などの情報が公開されていますので、自分の会社にとっていい取引先をご自身で選ぶことができます。

また、このようなマッチングサイトを利用する場合、買手会社から手数料を取るビジネスモデルが多いため、売手会社はほとんど費用を発生せずに、利用することができるケースが多いです。

②マッチングサイトを利用するデメリット

マッチングサイトを利用するデメリットとしては、少額案件に限られているサイトが多いです。サイトによって違いますが、500万円以下などと限定されているため、スモール案件に適していると言えるでしょう。

③オススメしたいマッチングサイト

当サイトにて利用者数が多いマッチングサイトをピックアップしましたので、ぜひ利用してみてください。

-スピードM&A-

スピードM&Aは、M&A仲介とマッチングサイトの2つのサービスが統合した、新しい形のハイブリッド型M&Aプラッ トフォームです。 オフライン(仲介)とオンライン(マッチングサイト)の相乗効果により、 多面的・多角的な総合支援を行うことで、最適かつスピーディーな事業承継・M&Aをサポートします。

スピードM&Aの特徴としては、規模や業種を問わずあらゆる案件が掲載可能なのと、譲渡価格にして、100万円未満から数億円以上の案件まで幅広く利用することが可能です。

基本的な利用料やご相談は完全無料となっていて、売手会社は最後成約まですべて「0円」と、全くコストをかけずに利用することができますので、【完全無料】買い主様の会員登録はこちらからご利用ください。買手会社の場合は完全成功報酬型を採用しており、成約時の報酬は成約価格に連動しますが、最低手数料は業界最安水準の「20万円と、低コスト及び短期間でのM&Aを実現することが可能です。

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-ビズリーチ・サクシード-

ビズリーチ・サクシードは、株式会社ビズリーチが始めた、国内最大級の事業承継M&Aプラットフォームです。会社や事業を売りたい売手会社と、買手会社をオンライン上でマッチングするサービスです。サイト上に売り案件(譲渡案件)は常時2,300案件を掲載しており、買手会社も5,100社登録しています。

ビズリーチ・サクシードは買手会社登録をしないと、売手会社の情報を見ることができないようになっているのも大きな特徴で、完全に情報を非公開で売却したい方には非常にオススメしたいサイトです。また、売手会社はサイト利用からはじめ、最後のご成約まですべて「0円にて利用することができます。

買手会社は基本ご成約した時に成功報酬が発生し、成約価格の2.0%の手数料がかかりますが、売手会社の情報を無制限に見たい場合は、有料会員登録が必要になります。つまり、ビズリーチ・サクシードには毎月料金を支払って、M&Aを本気に検討されている買手会社が集まっています。そのような会社にアプローチをして欲しい売手会社の方は、ぜひ登録してみてください。

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-Batonz(バトンズ)-

Batonz(バトンズ)は、跡継ぎをすぐに探せるだけでなく、 全国の士業事務所や金融機関が「承継アドバイザー」として交渉をサポートしているのが特徴です。 承継アドバイザーは、累計成約実績4,500件を誇る日本M&Aセンターグループである バトンズが提供するノウハウを受け継ぎ、承継後のリスクを低減した安全な事業承継を実現しています。

バトンズの累計ユーザー登録数28,000人超、累計成約実績数は200件で、 国内の事業承継マッチングサービスでは最大級の会員基盤・成約実績となります。

Batonz(バトンズ)を利用する売手会社は、最後成約まで報酬「0円」で利用することができます。買手会社の場合は最後ご成約した時に成約価格「5%」の報酬が発生します。最低報酬は「25万円となります。

なお、専門家に支援を依頼する場合は別費用がかかります。こちらに関しては売手会社、買手会社同様です。

また、オプションとして企業評価、不動産評価なども提供しています。

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-M&Aナビ-

M&Aナビは、テクノロジーによる成約までの効率化を図りながら、大切な部分はしっかり人がサポートするハイブリッドなオンラインM&Aプラットフォームです。

M&A経験豊富なアドバイザーが検討段階から成約するまで一貫してサポートしてもらいながら、大手M&A仲介会社に比べ約1/10という圧倒的な低コストを実現することが可能です。高い成約率とスピーディな交渉も特徴で、平均5ヶ月以内で成約しています。

売手会社は年商1億円以下の会社が多く利用しており、買手会社は上場会社から個人投資家まで幅広く登録しています。

M&Aナビは売手会社の利用しやすさに配慮し、決算書をアップロードするだけで、あとはM&Aナビのプラットフォームとアドバイザーが、案件化~納得のいく成約までをサポートしてくれます。

M&Aナビも成功報酬を取っており、成約した時は売手会社・買手会社同様に成約価格に対してレーマン方式を採用しています。なお、最低報酬は「200万円となっています。

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5、赤字会社はどうなる?M&Aにて売却することできる?

赤字会社は売却ができないと諦めている方も多いのではないでしょうか。

一般的には売却できる会社は基本黒字であることが条件ですが、実は赤字会社はその赤字になる理由によって、十分売却できる可能性があると考えます。

例えば、中小企業の場合はオーナーの私物化にされる傾向が強く、役員報酬が多く取りすぎている、オーナーのプライベートの支出も経費として計上されているなどの理由により、収益が赤字になった場合は、それらの支出を見直すことによって黒字化することができれば、現状赤字でも売却することができます。

技術力があるのに、営業力がないから売上が赤字だった場合、営業力が強い会社に売却することによって、その赤字を改善できると見込まれたら、売却ができると言えるでしょう。

一方、債務超過が大きすぎて、どうにもならない会社もあります。その場合は倒産という選択肢になるケースもあります。

つまり、赤字会社はその赤字になる原因によって実際に売却ができるのかどうかの判断になりますので、専門家に相談することが重要です。しかし、赤字会社の売却は非常に高い専門知識が必要のと、時間かかる場合も多いため、対応しないM&A仲介も多いです。上記にて紹介した「みどり財産コンサルタンツは赤字会社でも積極的に対応しておりますので、、赤字会社のM&Aによる譲渡を検討されている方は、一度問合せしてみてはいかがでしょうか。

6、譲渡価格の他に注意すべき税金と仲介手数料

M&Aを実施することによって、譲渡価格の他に大きく下記2つの金額を支払う必要があります。

(1)税金について

M&Aの手法によって発生する税金は異なりますが、下記は最も多く利用される株式譲渡、事業譲渡の時に課せられる税金について書きます。

①事業譲渡時にかかる税金

事業譲渡の場合、売手会社は「法人税」と「消費税」と2つの税金が同時に課税されます。

−法人税の場合

法人税の場合、純資産を超える譲渡金額分に対して課税されます。

例えば、純資産2,000万円、譲渡金額は6,000万円の場合、その差額の4,000万円に対して法人税が課税されます。

−消費税の場合

消費税は、営業権や有形資産など課税資産に対して課税します。

例えば、営業権は3,000万円のみある場合、その3,000万円に対して消費税が課税されます。

一方、買手会社の場合基本的に法人税かかりませんが、棚卸資産や固定資産を取得した場合、消費税がかかります。

計算方法は、売掛金などを除いた「課税資産の譲渡額☓8%」にて算出することになります。

②株式譲渡時にかかる税金

株式譲渡の場合、売手が「個人」なのか、「法人」なのかによって税金の種類が異なります。

−売手が個人の場合

売手が個人の場合、売却代金から諸経費を差し引いた譲渡所得に対して

  • 所得税:15%
  • 住民税:5%

合計「20%」に、復興特別所得税の2.1%をプラスして課税されます。

−売手が法人の場合

売手が法人の場合、譲渡所得に対して30%の法人税が課税されます。

(2)M&A仲介会社に依頼する際にかかる仲介手数料

M&Aを仲介会社に依頼する場合、仲介手数料が発生します。

一般的には、成約価格に対するパーセンテージで決められていますが、中には着手金が発生する会社もあります。

会社によって料金体系が異なりますので、依頼する前にきちんと確認するようにしましょう。

仲介手数料について詳しくは下記記事を参照にしてみてください。

お問合せフォーム

当サイトにて会社価値の算定、M&Aにて会社売却、買収などの相談を対応しております。

上記を検討されている方は、下記問合せフォームよりご連絡ください。

まとめ

今回はM&Aの譲渡価格について書きましたが、参考になりましたでしょうか。

様々な背景によりM&A市場が盛んになっていて、実際の譲渡価格も高値だと言われているそうです。その中で、きちんと自分の会社を分析し、よりいいM&Aの取引ができたら嬉しく思います。

八木チエ

八木チエM&A INFO プロデューサー

投稿者プロフィール

大学卒業後、7年間IT会社の営業を経験し、弁護士事務所に転職。
弁護士事務所で培った不動産投資の知識を活かし、業界初の不動産投資に特化したメディアを立ち上げ。2018年に株式会社エワルエージェントを設立。不動産投資「Estate Luv」、保険「Insurance Luv」などのメディア運営やメディアのコンサル事業に特化。
M&A業界が盛んになった今、M&Aの情報を正しく伝えたい、もっと多くの人にM&Aの魅力を知ってもらいたいと思い、M&Aに特化したメディア「M&A INFO」を立ち上げ。より有益な情報を多く配信している。

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