M&Aでは会社を売却(株式譲渡)したオーナー社長は、売却代金として一時に大金を手にすることも少なくありません。オーナー社長はこの大金を一体何に使われていたのかと参考にしたい方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、10年以上M&A業界におり、数多くのM&Aを成功に導いてきた株式会社クラリスキャピタルの牧野代表に話を伺わせて頂きました。
1、6つのタイプがある
会社を売却(株式譲渡)したオーナー社長は、その売却資金の使いみちに大きく下記6つのタイプが挙げられます。
- 貯金タイプ
- 投資タイプ
- 第二の人生タイプ
- 消費タイプ
- イベントタイプ
- 老後生活タイプ
2、貯金タイプ
大金が入ったからといって、すぐに使うわけではなく、きちんとそのお金を貯金し、その後の生活に備えるのは堅実の貯金タイプです。これからの人生が長く続くので、若い経営者の方に多いと言えます。
ご結婚を機に会社を売却されたある女性社長は、その後の結婚生活のために貯金されて、育児が落ち着いたら、残った資金を元手に、いずれまた事業に投資されたいという方もいました。
3、投資タイプ
いままで経営してきた会社の事業にあきて、会社を売却したオーナー社長に多いのが、得た大金を新規事業や金融商品・アセット等に再投資するタイプです。
景勝地に喫茶店を開いた方が喫茶店を売却したお金を使って、成長著しい東南アジアに事業をしに出て行った方などがいました。また、不動産投資に資金を投下して、家賃収入を得ながら余生を過ごすというオーナー社長もいました。
4、第二の人生タイプ
本当はやりたいことがあったが、経営で忙しくて出来なかったことがある経営者は、会社を売却した資金で、新たな人生を歩みだした方も多くいました。
大学に入学したり、MBAを取得するため海外に行ったり、中には小説家になるために資金を使う方もいました。
5、消費タイプ
それなりに会社経営で成功をおさめ、すでに資産をお持ちで、後継者がいないために会社を売却した方の場合は「消費タイプ」が多いといえます。
長年経営をしてきたことで引退する時は既に資産を築いているため、貯金したり事業投資するでもなく、今まで頑張った自分にちょっとしたご褒美として、海外旅行を楽しまれたり、時計、靴、スーツなどブランドものをそろえられたりして、消費に使う傾向が強いパターンです。
6、イベントタイプ
何かのイベントを控えており、そのための売却資金を要される方に多いといえます。
例えば、大手術などを控えており、M&Aがクロージングを迎えてから入院・手術をされて、医療費や長期療養費のために売却資金をお使いになられるオーナー経営者の方もいます。
病気が快復されれば、残った売却資金で新たに事業に投資されるパターンもあります。
7、老後生活タイプ
高齢化による引退のために会社を売却されたオーナー社長は、老後の生活のために少しずつお使いになられる方が多いです。
しかし、ご自分のためにというよりは、お子様やお孫様のためにM&Aの売却資金を使っていらっしゃる方も多いようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?みなさんは会社を売却した資金で様々な使い方をされています。このように、売却資金を何に使うかは、使いみちを明確されている方は会社売却の動機に結び付いていることが多いといえます。
会社の売却で悩まれている方のご参考になれば幸いです。
プロフィール
株式会社クラリスキャピタル
代表取締役 牧野 安与(まきの あよ)
M&A仲介会社にて国内のM&Aアドバイザリー業務に約8年従事したのち、2014年に株式会社クラリスキャピタルを設立。中堅・中小企業に特化したM&A仲介・アドバイザリー業務を完全成功報酬制、かつリーズナブルな料金体系で提供している。著書に『M&Aによる事業再生の実務』(中央経済社)。
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