スモールM&Aに特化|八事財産コンサルティング 執行役員 鷹野 将和

M&Aユーチューバーとしてもご活躍されているのは、株式会社八事財産コンサルティングの執行役員鷹野 将和(たかの まさかず)さんです。

譲渡金額が1億円未満のスモールM&Aに注力をされている鷹野さんに、スモールM&A市場の動き、M&Aを行う際に注意すべきポイント、YouTubeを活用した取り組みなどについて伺わせていただきました。スモールM&Aにご興味がある方は、ぜひ読んでみてください

1、活発に動いているM&A業界ですが、鷹野さまはこれからの業界の動きについてどのようにお考えでしょうか?

今後もスモールM&Aが増えていくものと考えています。

譲渡金額が1億円を超えるような優良な中小企業のM&Aについては、大手M&A仲介各社の営業努力もあり増加傾向が続いています。

それに対して、譲渡金額が1億円未満の規模の小さなM&Aについては、数年前までは手つかずに近いような状態でした。

なぜかと言うと、譲渡金額が1億円にも満たないにも関わらず、大手M&A仲介会社の手数料は最低でも1,000万円程度は必要なため、譲渡金額に対して手数料負担が大きいことが大きな要因の一つだと考えています。

しかしながら、この数年でBatonzやTRANBIのような、安価な手数料でM&Aができるインフラが整ってきたことで、スモールM&Aがかなり注目されるようになりました

スモールM&A業界はまだまだ黎明期なので、個人的には今後が楽しみです。

2、会計事務所を母体とする御社ですが、御社ならではの特徴を伺いしてもいいですか?

会計事務所のクライアントのM&Aのお手伝いができることでしょうか。

弊社の母体が会計事務所なので、他の会計事務所は競合に思われることもあるのですが、実はそうではありません。むしろ他の会計事務所と提携してM&Aのお手伝いをさせていただいています。

実はM&Aアドバイザリー業務は通常の税務・会計業務とは全く異なるため、対応ができない会計事務所が多いのです。また、M&Aのプロセスでは急な対応が迫られる場面も多いため、ある程度融通を効かせることができるのも重要な要素です。そのため、通常業務で忙しくされている会計事務所では、物理的にもM&Aの対応が難しいことが多々あります。

弊社が社外のM&A担当として会計事務所と提携させていただき、共同で案件に取り組ませていただいています

多くの会計事務所は大手のM&A仲介会社と提携しているため、業績の良い顧問先のM&Aについては大手さんに紹介できるのですが、実際には1,000万円の手数料を支払うのは難しいような小さな顧問先がほとんどです。

そんなスモールM&Aに対しても、会計事務所視点で取り組めるのが弊社の特徴かなと思います。

3、鷹野さまはM&Aユーチューバーとしてもご活躍されているようですが、こちらを始めたきっかけはなんでしょうか?

ご紹介ありがとうございます!!

きっかけは自分がM&Aの勉強やおさらいをする時に、YouTubeで情報収集していたからです。

例えば、普段は使わないようなスキームを提案する場合に、通常であれば専門書で調べてから提案をすることになります。専門書で勉強する場合には、じっくりと本を読む時間が必要になります。

しかし、YouTubeであれば、車での移動時間に流し聞きして、ある程度の概要を把握して、最終確認で専門書を読むことができます。

こうすることで、時間の短縮になるし、YouTubeでお話しされている方が、本には載っていないような実務上の注意点を解説してくれていたりします

ただ、私がYouTubeを始めたころは、専門的なM&Aの解説をされている方はいても、一般の方にも分かりやすく解説されている方はいなかったので、スモールM&A向け解説動画として自分でスタートさせちゃいました。

4、M&Aを実施するにあたり様々な注意すべきポイントがあると思いますが、鷹野さまが最も意識しているポイントはなんでしょう?

売り手側でも買い手側でも、まずはクライアントのビジネスについて理解することを心がけています

M&Aは成約後もそのビジネスが続いていきます。だからこそ、単純に売買のお手伝いをするだけでは意味がありません。

実際に、M&Aが成立した後も経営のアドバイザーとしてお手伝いさせていただくこともあり、いかに事前に将来像をイメージできるかが重要だと考えています。

5、M&Aのご実績が豊富な鷹野さまですが、今まで最も印象に残っている案件は?

弊社のホームページやマンガの冊子にも掲載しているのですが、岐阜県の東白川村という人口2,000人の村の中での自動車販売整備会社の案件が印象に残っています。

M&Aがいくら増えていると言っても、名古屋市内でもまだまだM&Aは珍しいものです。

そんな中で、人口2,000人の「つちのこ村」と呼ばれるような、山奥の村でM&Aが行われたというのは非常に珍しいケースではないでしょうか。

山道を何度も往復したことを懐かしく思います。

5、これからM&Aを検討されている方へのメッセージをください 

M&Aは都市部だけのお話しではありません。ビジネスの内容によっても異なるかと思いますが、買い手は全国にいるんです

また、以前はなかなか情報が入らなかったかもしれませんが、現在はM&A infoさんやYouTubeで簡単に情報が手に入る時代です。

ネット環境があれば専門家を訪問しなくても、インターネット上でミーティングをすることも可能です。

ここ数年間でM&Aのハードルはかなり下がったのではないかと思いますので、経営の選択肢の一つとしてM&Aを検討いただくのがよいかと思います

八木チエ

八木チエM&A INFO プロデューサー

投稿者プロフィール

大学卒業後、7年間IT会社の営業を経験し、弁護士事務所に転職。
弁護士事務所で培った不動産投資の知識を活かし、業界初の不動産投資に特化したメディアを立ち上げ。2018年に株式会社エワルエージェントを設立。不動産投資「Estate Luv」、保険「Insurance Luv」などのメディア運営やメディアのコンサル事業に特化。
M&A業界が盛んになった今、M&Aの情報を正しく伝えたい、もっと多くの人にM&Aの魅力を知ってもらいたいと思い、M&Aに特化したメディア「M&A INFO」を立ち上げ。より有益な情報を多く配信している。

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