赤字、債務超過の会社でも売却できる?売却する時におさえておくべきポイントは?
「赤字会社、債務超過の会社なんて売れない」と思われている経営者も多いのではないでしょうか。
実は赤字になった理由、債務超過になった理由によって、会社もしくは事業を売却できた実績は数多くあります。
赤字だから諦める、債務超過だから諦めるのではなく、会社や事業を売却することによって、従業員の雇用が継続される、債務から解放されるなどのメリットが挙げられます。特にコロナの影響で業績が下がったり、資金繰りで厳しくなった会社も少なくないでしょう。ぜひ一度自社の強みなどを分析し、売却することを検討してみるのはいかがでしょうか。
そこで今回は赤字、債務超過した会社が売却を検討する時に知っておくべき知識をまとめました。赤字などで悩まれている経営者は、ぜひ最後までお読みください。
目次
1、赤字会社、債務超過の会社でも売却することができるケースは?
冒頭にも書きましたが、赤字会社、債務超過の会社でもその原因によって、売却することができます。
では、どんな原因であれば売却ができますでしょうか。具体的に3つのケースを見てみましょう。
(1)技術力はあるが営業力がない
技術を強みにする会社にはよく見受けられる赤字の原因です。
金融機関から運転資金などの融資を受け、技術の研究などで成功したのですが、その技術を販売する、営業するノウハウがない会社は実に多くあります。
社内に技術畑出身の方が集まっているのですが、営業職の方がいないことによって、せっかくいい技術を持っているにも関わらず広げる力がないので、赤字がどんどん膨らんでいき債務超過になるケースも少なくありません。
その場合は、技術力は弱いが営業ノウハウが豊富な会社に売却を売却することによって、買収会社は自社にない技術を得ることができることから、そのシナジー効果を最大限に発揮することができます。
営業にて販売することができれば、債務を回収する見込みが立てますので、逆に言えば買手会社は喜んで買収してくれます。
しかし、自社にしかない強みがないとなかなかウリになるポイントがないので、売却することは難しいでしょう。
(2)アナログすぎて、仕組みなっていないことから売上が上がらない
昔からある会社によく見受けられるケースですが、未だに紙でデータを管理したり、地元のクライアント以外に、全く新規開拓をしないような会社です。
そういう会社は地元の地盤が強いケースが多いため、新しいエリアの進出、開拓をしたい中堅、大手会社からにすると、買収することによってメリットが大きいのです。
子会社などにして、自社の管理システム、仕組みを取り入れることによって、十分に債務を回収できる試算になります。
地場に強い会社であれば、売却で有利になるケースも多いでしょう。
(3)社長の私物化により赤字になった
中小企業によく見受けられるケースですが、社長による会社の私物化です。
役員報酬を好きな金額に決めたり、プライベートの支払いなども全て会社から支出して、結果赤字になったケースも少なくありません。
そのケースは経費の見直しをすることによって、十分黒字化にすることができる見込みがありますので、売却できる見込みも大きいと言えるでしょう。
しかし、その場合は基本社長の退任を求められますので、退任したくない場合はなかなか難しいでしょう。
つまり、赤字、債務超過でも売却ができるケースは、買手会社からにすると自社を買収することによって、黒字化にする見込みができるケースになります。自社ならではなの強みがない場合はやはり難しいです。
2、新型コロナの影響で赤字になった会社は売れる可能性が高い?
今回の新型コロナの影響を受け、赤字に転じた会社も少なくないでしょう。
給付金、補助金、融資など様々な特別措置があるとはいえ、実際に受けるには時間がかかってしまい、資金がショートし継続が難しい会社も多いのではないでしょうか。
そのような会社、店は通常に営業ができれば、売上を立てることができ、黒字化することができるという判断ができれば、売却ができる見込みは十分にあると言えるでしょう。
一方、新型コロナの前から既に業績が悪くなり、コロナの影響で一気に赤字に転じたような会社、店は、業績が悪くなった理由が別にあることから、その理由によって売却ができないケースもあります。
3、赤字会社を売却するM&Aの手法は?
赤字会社を売却する時は、大きく下記4つのM&A手法が挙げられます。
- (1)株式譲渡
- (2)事業譲渡
- (3)会社分割
- (4)合併
では、それぞれについて見てみましょう。
(1)株式譲渡
株式譲渡はM&A手法の王道と言えるでしょう。
会社をまるごと売却することになりますので、会社の債務、ご自身が抱えている連帯債務からも解放されることができます。
また、従業員の雇用を継続してもらうなどの交渉もしやすいのが、株式譲渡のメリットと言えます。
会社から解放されたい人にオススメしたい売却方法です。
株式譲渡の流れ、メリット・デメリットなどについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合せてお読みください。
(2)事業譲渡
事業譲渡は言葉の通りに一つ、もしくは全部の事業を売却する方法です。
一つの事業しかやっていない会社は別ですが、複数の事業をやっていて、そのうちの赤字事業だけを切り離したい時に活用できるM&A手法です。
事業譲渡は買手会社にとっては税金のメリットが大きく、売手会社は法人格を残しておきたい経営者にとってはメリットが大きいです。
事業譲渡の仕組み、メリット・デメリットなどについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合せてお読みください。
(3)会社分割
会社分割は一つの事業、もしくは複数の事業を譲渡して、新しく法人を設立する「新設分割」か、もしくは買手会社の会社に承継して「吸収分割」になります。
会社の資産、社員の雇用契約、クライアントとの契約などの契約はそのまま引き継ぐことができ、手続きなどは比較的に簡単なのがメリットと言えます。
事業譲渡との仕組みは似ている部分がありますが、簿外債務の引き継ぎ、税金などの面では異なります。
会社分割の仕組み、メリット・デメリットなどについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合せてお読みください。
(4)合併
合併とは簡単に言えば、買手会社に吸収されるイメージになります。
赤字会社を吸収することによって、黒字の買手会社からすると税金でのメリットが大きいです。
合併の仕組み、メリット・デメリットなどについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合せてお読みください。
一般的にはM&A仲介会社に依頼すると、株式譲渡をすすめられるケースが多いですが、自分の会社をどうしたいのか、自分のこれからのあり方も含めて、最も適したM&A手法を選ばれるといいでしょう。
4、赤字会社を売却する時の価格算定は?
M&Aにて会社を売却する時に、売却価格の算定で様々な計算方法があります。
メインとして使われている計算方法としては
- 時価純資産価額法
- 簿価純資産法
- DCF法
などが挙げられます。
しかし、赤字会社、債務超過の会社の場合は、債務の金額にもよりますが、債務額を超える価値を算出できた場合は支払われるケースがありますが、ほとんどのケースは債務の代わりに安い価格の売却になります。
少しでも高く売却するには、
- 自社の強み
- シナジー効果
など、自社を買収するメリット、売上など数字を明確に出すことがポイントになると言えるでしょう。
会社の価格算定について詳しく知りたい方は、下記の記事を参照にしてみてください。
5、廃業にするより売却すべき?
会社が赤字などの理由で廃業を検討されている経営者も少なくないでしょう。
実は会社を廃業にするには、債務を全て完済する必要があるため、赤字、債務超過の会社はほとんど廃業することができず、その前に倒産をしてしまうのです。
そのため、倒産を回避するためにも会社を売却することは、一つの選択肢と言えるでしょう。
廃業する時の手続きなどについて、詳しくは下記の記事を参照にしてみてください。
6、赤字会社の売却実績がある仲介会社に依頼する
一般的には赤字会社の売却では売却価格が安くなる傾向が強いため、M&A仲介会社は売却を引き受けてくれないケースが多いです。
なぜならば、赤字会社の場合は会社に関連するデータを整理して出す以外に、会社をある程度立て直してから売却に出すケースもあるからです。そのため、事業再生などのノウハウも必要になるため、取引実績がある、積極的に対応してもらう会社でないと対応することができません。
みどり財産コンサルタンツは、母体は会計事務所となっており、相続・事業承継、M&A、節税、資産保全のコンサルティングに特化した専門集団です。赤字会社のM&A経験も豊富ですので、赤字会社の売却を検討されている方はぜひ相談してみてください。
会社概要
設立日 | 2003年(平成15年)11月 |
資本金 | 1,000万円 |
報酬体系 | 完全成功報酬(※最低報酬500万円) |
本社所在地 | 東京都千代田区有楽町1-5-1 日比谷マリンビル8階 |
お問合せフォーム
当サイトでは無料にて会社売却、経営相談などの対応をさせて頂いています。
赤字会社の売却含め、ご相談いただければと思います。
まとめ
赤字会社、債務超過した会社は売却ができないと思われている経営者が多いのですが、実は数多くの会社は売却することができています。
ご自身で悩まれてるのではなく、ぜひ一度専門家に相談をし、一つでも選択肢を増やすことができればと思います。
こちらの記事を参考に行動に移していただけたら幸いです。
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